不思議なノック音

この話はつい最近私の祖母が亡くなった直後に起きた実際の出来事です。怖い話ではありませんが、個人的に奇妙に感じることが起きました。

私の祖母は一軒家に一人暮らしをしており、年齢も当時87歳とかなり高齢でした。その一軒家から徒歩圏内に私の実家があり、私の母や妹が不定期で様子を見に行って、食事やお話をして生活をしておりました。

私は数年前から実家を離れ、他県で一人暮らしをしていたので祖母の様子などについてはたまに2人から聞いている程度くらいでした。

ある日の仕事途中の出来事でした。
勤務中にいきなり妹から電話が来て
「今、おばあちゃん家にいるんだけど、おばあちゃんが死んでる！」
と、電話越しに泣きながら叫んでいました。

私は何が何だかわかっていませんでしたが、後から整理して話を聞くと孤独死をしていたそうです。

死因は心筋梗塞で、死後1週間余り経っていたようです。
妹曰く、発見当時の遺体を見るとかつて元気でいた祖母の姿はそこになく、まるで抜け殻のようになっていたそうです。

そんな日があった1年後のこと。私がその家で遺品整理をしている時でした。
定期的にその家を引き払うために大量の家具から書物など様々なものを整理する作業をしていました。
私はいつも通り換気のために開けていた窓の戸を閉め、鍵をかけました。

しかし、その時戸の外から窓をノックされたのです。

すかさず再び戸を開けあたりを見渡してみましたが、誰もいません。
不思議に思った私でしたが、気のせいだと思いその日は帰りました。

数日後、また遺品整理のために家にやってきて作業をしました。そして、同じように帰り際に窓の戸を閉めると再びノックをされます。
気のせいではないかと思い、妹にそのことを話すと勘違いじゃないかと思われましたが、私が1人で戸を閉めると必ず外からノックを一度されます。

立て付けが悪いわけでもなく、今までそのようなことが一度も起きなかったので少し不思議に感じました。
もしかして、祖母が…？
と考えてしまう節もありましたが、そっと胸にしまって今では無かった事にしています。