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心霊

ポポさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

気にしない方がいいよ
短編 2021/08/22 17:55 1,010view

それは私が中学生の頃の話です。
親睦と絆を深め勉学に励もうという一泊二日の合宿に行きました。当時は初めての友達も多く仲良くなることにドキドキしていた私。あんなドキドキを体験するなんて思いもしていませんでした。

合宿所についてオリエンテーションが始まり、班ごとにコースを辿ってゴールの宿舎を目指すというものでした。炎天下に近い中、歩き続けた私はゴールする頃には熱中症の症状が出ていたのです。発熱と吐き気から部屋で横になる私はいつしか眠っていました。

ふと、寝苦しさから汗をかいて目を覚ました私は窓をちらりと見ました。そこに髭を生やした中年の男性がいたのです。一瞬宿舎の関係者かと考えましたがすぐに違うと気づきました。なぜなら、私が寝ている部屋は二階なのです。鼓動が早くなるのを感じましたが、それ以上に激しい睡魔に襲われました。

再度、いつしか眠っていた私は頭から布団を被ったまま目を開けたのです。

「いる」

もちろん布団から私は出てません。理由はわかりません。でもはっきりと感じたのです。すぐ隣にあの中年男性がいると。ここで顔を出してはいけないと感じる私は眠りに落ちるよう集中しました。次に目が覚めるとクラスのみんなが戻って来ていて安心しました。

翌朝になってすっかり元気になった私はラジオ体操のために外の広場に集まり、そこから見える少し小さな湖を見ていました。
ふと、視認できる対岸に複数の人が横に並んで立っています。あの中年男性そして女性、それから小学生ほどの子供が2人。不思議だったのが全員、首から上がうまく木の枝に隠されて見えなかったのです。

驚きで思わず隣の友達に話すと、その子はとても霊感が強いようで気にしない方がいいよと教えてくれました。その子が私の目を触って以降は特に見る事もなくなり合宿を終えた私は帰宅してからもしばらくは異なる世界の人をみていたのでした。

そしてこれは後日に聞いたのですが、そこの合宿所の他のクラスの部屋にお札が隠されるようにはられていたそうです。

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