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心霊

Mikeさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

心中で有名な某上水にて
短編 2021/08/22 15:22 959view

関東に存在するある上水は、某有名人が心中した場所として知られている。

学生時代、近所のコンビニで働いていて、帰りにその上水沿いを歩いて帰宅していた。街灯は少なく、せいぜい50mごとに一つ立っているくらいだった。

週に1日は22〜2時というシフトが固定で入っており、その日はいつも真っ暗なその道を煙草を吸いながら帰っていた。

秋から冬に差し掛かり肌寒さが増してきたある日、いつものようにバイトを終えて帰宅していると、その暗い道に誰かが立っているのが見えた。150cmくらいの小柄なシルエット。
よくは見えなかったが、こちらをずっと見ているような視線を感じた。

毎週この時間に歩いていたのだが、こんな夜中に歩いてるのは酒を飲む大学生くらいで、一人で出歩いているような人を見かけたことはなかった。
遠くにある数少ない街灯が逆光になり、その人物の怪しさをより際立たせている。

車が一台しか通れないような狭い道なので、嫌でもすれ違わなければならなかった。
何故見られているのか、こんな時間に何をしているのか分からず恐怖心が増していく。

近づくにつれてその視線はどんどん強くなり、本能的にヤバイと思った僕は視線を足元に落とし早足でそこを抜けた。

10mくらい離れた所で、好奇心の方が勝り振り返ってしまった。

その人影はいなくなっていた。
その時僕は、アレは人ではなかったのだと直感した。

そこは一本道で、横に抜けられるような場所はないのだ。
やはりこのような場所には人ではない何かが集まってくるのかもしれない。

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