思い出のビデオテープ

結局その話はAやTに伝えましたが流石に怖くなり皆で黙っていることになりました。
その後ビクビクしながら同窓会に参加したのを覚えています。

ただこの話そこで終わりではなく続きがあったのです。
あれは1年程前の事です。
Aから佐々木が事故に会い病院に緊急搬送され大変な状況にあるとの事でした。
急いで病院に駆けつけると他の友人も集まっておりもちろんあいちゃんや両親もそろっていました。

今夜が峠らしくみんなで佐々木の名前を呼びましたが意識が戻ることはありませんでした。

しかし20時を過ぎた頃でしょうか、面会時間が過ぎた頃に佐々木が目を覚ましたのです。
皆が泣いて喜んでいるときにあいちゃんが佐々木に駆け寄り話しかけたのですが
目覚めたばかりの佐々木が驚いたような表情をして「この人殺し」と叫んだのです。
何が起きたのか分からずにいると佐々木はどうやら事故で頭を打った際に
あの事故の時の事を全て思い出したようです。
はっきりとあいちゃんに階段から突き落とされるのを覚えておりそのことを伝えると皆があいちゃんを蔑むような眼で見ていました。
次の瞬間、あいちゃんが「ぎゃああああああああ」と悲鳴を上げ発狂し

病室を飛び出していきました。
数分呆然としていましたが「あれ何するかわからんぞ」という友人の言葉から
急いで後を追いました。
エントランスに出たときでしょうか、階段付近が騒がしくなっておりどうしたのか聞くと「女の人が叫びながら階段から落ちたようだよ」と教えてくれました。

まさかと思い階段下を覗くとあいちゃんが倒れていました。
その後はまさかの佐々木と同様に脊髄損傷による下半身まひで車いす生活を送ることに、ただ佐々木と違うのは事故の真相が明るみになったために
両親から絶縁され、佐々木とはもちろん離婚、友人からも絶交され完全なる天涯孤独となりました。
今はどうなっているのか誰も知りません。
まさに因果応報でした。