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都市伝説

jinさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

もう1人自分がいるのか
短編 2020/11/01 15:46 20,002view
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私は今年47歳になりますが、昔から不思議と街中で知り合いにであったり、偶然誰かと鉢合わせすることが多いことが不思議に感じていました。

これは、結婚して20年を超える家内も不思議に感じていたようで、あなたはなぜそんなに知り合いに偶然出会うことが多いのと言われるほどです。近所と言うわけではなく、兵庫県に住んでいますが北海道に旅行に行った時、東京都内などとんでもないところでしょっちゅう会うことがあるのです。

また、知り合いから「昨日、映画館に来ていたけど誰と一緒だったの?」「昨日焼肉屋さんに来ていたよね?」なると自分自身が全く身の覚えがない場所で自分自身が目撃されることが年に何度もありました。
昔は、自分自身のそっくりさんがいたのだなと思っていたのですが、あまりにも頻度が多いので不思議に感じていた次第です。

昔からよく世界には3人自分の分身がいると言う都市伝説を聞きますが、全く信じている人はいないのではないでしょうか。
もちろん私自身もそんな話を一切信じていませんでしたし、まさか自分には全く関係ない話だと信じていました。

しかし、昨年決定的な出来事があったのです。
私は、日曜日ながら出勤せざるを得ず、スーツを着て職場に出ていました。そして昼間に家内や娘たちが出かけた時になんと至近距離で私を見かけたと言うのです。

それも私服姿で。驚いて声をかけたらしいのですがその男性は無視をして歩いていたそうです。あまりにもあっけにとられて、追いかけることもしなかったそうですが。
さらに家内や娘たちが言うには、見た目は私とそっくりでしたが、顔に元気がなく、いわば廃人のような表情をしながら歩いていたので少し不思議だったと言っていました。

その後すぐに私の職場に電話があり、私が実際に職場にいることを確認すると家族は本当に恐怖におののいていました。本当にそっくりさんはこのように3人いると言う都市伝説は本当だと、家内や娘たちが私以上に信じたのではないでしょうか。

しかしながら、見た目はそっくりでも断じて私ではないと言うイメージを持っていたのも確かです。だからこそ街中で出会ったときにあまりしつこく、深く声をかけなかったのだと思います。
それ以来、私も自分自身に何か特別な力があるのではないかと考えるようになりました。子供の頃からあんまりにも偶然に知り合いにとんでもないところで出会ってしまうこと、まさか自分のそっくりさんが自分の家族に出会ってしまったこと。

別に自分自身の精神は抜け出しているわけではありません。家族が私のそっくりさんに出会った時も私自身は普通に仕事をしていたし、不思議な感覚になったこともありません。

そしてその後、私自身も本当に不思議な出来事が起こったのです。
それは夢の中でした。普段私自身あんまり夢を見ないのでこんなに明確に夢の中の出来事を覚えているとは。その時点で非常に不思議な話です。
なんと夢の中でもう1人の私が、「こっちの世界においで、もっと楽しいことがあるよ、君がいる世界は偽りだ、鏡の裏側をきちんと見るべき」と無表情で繰り返し私にかたりかけてくるではないですか。 

本当に強くなり汗をかきながら目覚めたのは深夜の3時でした。
そして、私が目覚めたと同時に家内は半分泣きながら私の方を見ているのです。
「パパ大丈夫?、パパ大丈夫?」と。聞いてみると、私が夢の中でもう1人の自分から何度も語りかけられていたセリフを私自身が大きな声で話していると言うではないですか。

さすがに家内もこの時は私に病院に行った方が良いのではないか、何か大きな悩みがあるのではないかと質問してきましたが正直なところ、特に悩みもなく健康でした。
そして、さらに決定的な出来事は自分自身に起こります。

休日のある日、街を1人で歩いているときのことです。
100メートルほど先で男性2人が会話をしています。そしてなんとよく見るとその1人は私ではないですか。それも服装も私と全く同じ格好です。さすがに、もう1人の知り合いに驚かれるのも困るのでそれ以上距離を縮める事は控え、遠目で見ていました。

すると、何ともう一人のわたしが、すっと視線をわたしに移し、にやっと笑うわけです。そして夢の中で語りかけてきたように私に手招きします。全身が凍りつきました。さすがにこれは自分自身でも過去に経験したことがない恐怖です。

その場にいることが耐えられなくなり、私は必死で逃げ出しました。これが1年前のこと。
実はそれ以来もう1人の自分と直接出会った事は無いのですが、あいも変わらず街では偶然に知人や友人と出会いますし、もう1人の私を目撃したと言うような話もちょくちょく聞きます。
ここまで来ると本当にもう1人の私がいるのではないかと考えざるをえなくなります。

家族も心配をしてくれますが、あまりにも恐ろしい出来事なのであえて会話には触れないと言う日々が続いています。
これからもこの出来事は私の身の回りで起こり続けるのでしょうか。

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コメント(8)
  • 知人とよく会うのと、もう1人の自分がいるというのは関係ないように思う

    2021/01/17/23:36
  • 本当に強くなりで草

    2021/03/29/20:30
  • 最後の似た男と立ち話してた人は本人の知り合いなのかな?
    ドッペルゲンガーかと思ったが、似た男は双子だろうか。
    あちこちで知り合いに合うのは、知らん!

    2021/05/03/11:19
  • 北の匂いがする

    2021/05/26/10:44
  • 「もう一人のわたしが、すっと視線をわたしに移し、にやっと笑う」って文章が怖かったかな。

    2022/09/20/11:45
  • 本当に強くなりって、どういう意味ですか?
    苦しくなり、って事かな?

    2022/12/30/01:11
  • そうねぇ、三つ子とか五つ子とかかな?

    2023/05/25/21:25
  • まじかよ

    2023/05/26/19:59

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