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心霊

Yuzuchoさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

金縛りの先には
短編 2021/03/14 22:37 1,119view

私が10年位前に体験した話です。

その出来事が起きたのは、眠りについて間もない頃だと思います。
体に電気が走る様に動かなくなりました。いわゆる金縛りというやつです。
しかし、その当時の私は金縛りに頻繁に遭っていて「またかぁ~」ぐらいの気持ちでした。

私は金縛りに遭うと必ず体の一部が動くのですが、その時は左手の小指だけ動きました。
目は開かない状態ですが「早く動かないかな~」なんて、左手の小指を動かしながら軽く思っていました。

しかし数分経っても金縛りがとけず、いつもの金縛りとは違う感覚に気づきました。
当時の私は4.5畳の部屋にシングルベッドを置く形で寝ていました。
頭や足元に隙間などありません。

でも、足元から何かが近づいてくるのを感じました。

もちろん目を開ける勇気はありません。そもそも左手の小指しか動かないのだから。

その何かは私の掛け布団の上を這う様に私の顔に向けて近づいてきました。
「はぁ、はぁ、はぁ…」との息遣いと共に。
いよいよ私の顔近くになると、長いであろう髪の毛が私の顔に上下左右なぞるようにあたりはじめました。

私は「早く終われ!」と願い、左手の小指を必死に動かしました。
すると一瞬で金縛りがとけました。
冷や汗で濡れた体でしたが、疲れてそのまま寝てしまいました。

朝起きて、昨晩の出来事は夢だったんだと自分に言い聞かせ朝の仕度をしていると、枕元に長い髪の毛が落ちていました。

夢ではなく現実だったのです。当時の私はショートカットだったからです。

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関連タグ: #夢#金縛り#髪の毛
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