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バクシマさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

いぬのおはか
短編 2024/03/24 00:24 1,729view
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夕暮れ
散歩でのことだった。
近所の公園の砂場に、こんもりとした砂のお山があった。
お山の頂上にはベニヤの木札が刺さっており、そこには「いぬのおはか」と書かれていた。
そのお山は大型犬が埋まっていそうな大きさだった。

その日の夜、人面犬を飼う夢を見た
仔犬のときは幼児の顔だから愛らしいが、一歳の頃には中学生くらいの顔になり、二歳の頃には二十歳前後の顔になった。
人と犬では年の取り方が違うのだ。
六歳になる頃には、くたびれた中年男性の顔であった。
もはや可愛くない。
人面犬など飼育するものではないな。
私は人面犬を近くの公園の砂場に埋めた。
そしてベニヤ板に「犬の墓」と書いてお山に突き刺す。
するとお山の中から何やら音がするではないか。

耳をお山にあててみれば、読経であった。
そこで目が覚めた。

その日の夕暮れ
仕事帰り 雨だった。
砂場の前に私は立っていた。
お山は崩され、平らな砂場が雨にさらされている。
砂場を少し蹴り掘ってみるが、ただの砂場だ。
果たして本当に犬が埋まっていたのか、もはや定かではない。
ただ革靴を汚しただけか。損したものだな。
だが、砂場から出るときに、なにか硬いものを踏んだ。
砂を除けてみると、ベニヤの木札であった。
その木札にはこう書かれていた
「犬の墓」と。

その日の夜、砂場の墓をあばく夢を見た。

手でお山を崩すが、死骸はない。
しかし、砂の中から犬の御面が出てきた。
私はその御面を顔にあてがった。
御面は顔にピタリとくっついた。
呼吸ができない。
苦しくて御面を外そうとするが微動だにしない。
のたうちまわり
私は死んだ。
誰かが私の死骸を拾い上げ、埋めてくれた。
俯瞰で私が埋められていく姿が見える
黒のスーツに砂が被っていき、やがて全身すっかり砂の中だ。
私を砂に埋めたくたびれた中年男性は、私の墓にベニヤの木札を刺した。
その木札にはこう書かれれていた。
「ひとのおはか」
そこで目が覚めた。

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コメント(1)
  • 携帯小説懐かしい

    2024/03/24/21:23

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