不思議な話（実体験）

私が実際に体験した不思議な話です。
私の祖父は、私が結婚するときとても喜んでくれ「これからはひ孫に会うのが生きがいだ」ととても嬉しそうにしてくれていました。

なので、そんな祖父に息子を抱っこしてもらえた時は本当に嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。

そんな祖父も息子が二歳の時、急に衰弱してしまい私の携帯にも「覚悟しておいてね」と母から連絡がきていました。

その日の夜、いつものように息子をお風呂に入れていた時急に息子がお風呂のドアを開けようとしました。

当時住んでいたアパートはかなり古く、お風呂場もドアノブ式だったため子供の力ではあけにくく、子供のお風呂の事故防止に関してはよかったな、と思っていたくらいだったのですがその日は何故か息子はすんなりとドアを開けてしまいました。

そしてドアを開けた向こう側に向かって「ばいばーい」と手を振ったのです。
すぐに「ああ、祖父が来たんだ。」と強く感じました。

お空に行く前に息子に会いに来てくれたのか、と本来であれば心霊現象なのかもしれませんが全く怖くありませんでした。

私の子供の誕生を何よりも楽しみにしてくれ、息子が生まれてからも二年間とても愛情を注いで可愛がってくれた祖父でした。

急いで息子を洗い終え、スマホを確認すると母から「祖父が今亡くなったよ」とメールが入っていました。
普段心霊現象にあったことがないので、誰にもそんな話はしたことがなかったのですが思わず「知ってる。じいちゃん、多分さっき息子に会いに来てくれたよ」と返信してしまいました。

その後の葬儀でも、お別れの時に息子を抱き上げたら言葉の遅い息子が「ひーじーちゃ」とぽつり。
周りは「あと何日か遅かったら呼んでもらえたのにねえ」と言っていましたが、私には祖父はしっかり聞いてくれているようにしか思えませんでした。

私自身は霊感などは全くないので普段そんな話を聞いても特に何も思いませんし、テレビなどで怖い話を聞いても怖い、とは思うものの、自分には見えないしなーなどとどこか他人事だったのですが、この日を境に本当に人の魂は存在していて、中には生きている人に何かを知らせに来ることもあるのかなぁ、と考えるようになりました。

息子が突然言葉を話せるようになったこと、その後はまた一度も子供の力では開けられる事はなかったお風呂のドアノブが何故あの時だけは息子に開けられたのか。

ばいばいをしていた息子には優しい祖父が見えていたのでしょうか。
怖い体験談とはちょっと違いますが、私が経験した本当に不思議な実体験でした。