盆の秋田で

時は流れ、あれから３年がたった。
大学時代の友人と、久々に電話で話をした。友人は、自分と違い、霊感が鋭く、当時、明治神宮の井戸がスポットだと、流行りだす前から言っていた。
何気に秋田での出来事を、おおざっぱに話した。
それから次の日、大学の友人から再び電話が来た。
友人が言うには、秋田のホテルの違和感の正体が見えたとのことだった。
正直、友人の話す内容を聞いてるうちに、背筋がぞっとしてきた。
変な感じだったとだけしか伝えていないにもかかわらず、自分が見たようなあの男を、言い当てていくのだ。友人は、霊感が強いせいか、その者の生い立ちや、そうなったかの理由を話し出した。憐憫だった。
最後に、友人が、湯に浸からなくて本当に正解でしたよ。と言われたときは、真夏の夜鳥肌がっ立った。
友人が言うには、自分がクリスチャンで毎週カトリックミサに行っていること。聖歌隊であること。その者は、秋田から離れないとのこと。でさすがの自分もこの時だけは。恐怖と安堵の入り混じったきもちだった。
今思えば、禍々しい雰囲気の部屋だった。
今現在、元気にそして、仕事も責任が増えいそがしい毎日を過ごしております。