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心霊

takeさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

不機嫌な妹
短編 2022/12/15 01:28 1,417view
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妹が高校一年生の時の話です。
学校へは電車通学していて、いつものように登校したある日、三時限目の途中から体調が悪くなってきました。
毎年インフルエンザに罹っていた彼女は「またか」と思ったそうです。
熱が上がって辛くなる前に、先生に許可を得て早退しました。

駅につき、乗ったのは急行電車でしたが、家の最寄り駅までにひと駅停車します。
昼下がりの車内はガラガラで、座るとすぐに熱のせいか睡魔が襲ってきたので、寝過ごさないように、と携帯電話でタイマーをセットして、膝の上で握り締めました。
ウトウトしていると、ドスン、と、誰かが勢いよく隣に腰をかけた衝撃で目覚めました。
車内アナウンスで途中の停車駅だとわかりました。

こんなガラ空きなのに隣に座ってくるなんて……痴漢か?もともと気の強い妹は、無神経に起こされた苛立ちもあって、不機嫌に「うっざ……」と独りごちました。

一瞬後、しまったと思いました。
妹は人には見えない存在を見たり感じたりする霊感体質で、隣の気配はまさにそれでした。
普段なら察知するのですが、熱のせいで感覚が鈍っていたのでしょう。俯いたまま、目だけで確認すると、焼けこげて煤けたズボンを履いた足だけが見えました。妹の反応に気づいたのか『おい……見えて……気づいて……るのか……おい』と、囁くような嗄れ声が聞こえてきます。

これはヤバイと眠気が吹っ飛んだ妹は眠ったふりをし、降りる駅をひたすらに待ちました。
徐々に妹の耳元に顔を寄せてくる気配にゾッとしたとき、携帯のタイマーがバイブとともに鳴りました。妹が弾かれたように立ち上がると、すぐに駅に着いてドアが開きます。転がるようにして降りると、電車が発車しました。

相手がついてきてないようだとわかると、その場にへたり込んだそうです。

あとでその話を聞いた私が「本当に連れてきてないだろうな」と言うと、妹は、「いや、まずあたしの事を心配してよ」と不機嫌そうに言いました。

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コメント(1)
  • ワクチン打ちましょうね!

    2022/12/15/20:49

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