噂のステイ先

客室乗務員の仕事をしていた時の怖い話です。

客室乗務員の仕事は、泊まりがけでフライトをすることがあり、仕事が終わった後に、全員で同じ決められたホテルに泊まります。ホテルのことをステイ先と呼びます。

ある九州地方のステイ先は、客室乗務員の中でほぼ100%の人が知っている有名なホテルなのです。私も2019年の秋にそのステイ先に泊まった時に怖い経験をしました。
仕事が終わり、部屋に着き、疲れたのでとりあえずお風呂に入ることにしました。何か感じたことのない、誰かに見られているような、人の気配があるような感じがしましたが、気にせずお風呂に入りました。
長風呂をしていた時に金縛りにあったという噂を聞いたことがあったので、シャワーで済ませました。
お風呂から出て、着替えを済ませ、ベットでテレビを見ながらゴロゴロしてしていました。あまりに疲れていたのか、気が付いたら寝ていました。

眠っていると、コンコンと窓を叩かれる音がした気がしました。でも気のせいかと思い眠り続けると、更に大きい音で何度もコンコンと叩かれました。
一応確認しようとカーテンを開けると、そこには誰もいませんでした。私の泊まっていた部屋は角部屋で、バルコニーはなく、もちろん足場もなく、どうやっても窓を叩くことは不可能なので気のせいだと思い込むことにしました。噂のこともあり怖いので、友達と電話を繋いだまま一晩を過ごしました。

次の日に客室乗務員の先輩にあった出来事を話したら、私の泊まっていた部屋で数十年前に客室乗務員が自殺をしたという噂の部屋でした。