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ヒトコワ

とくのしんさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

アイドル候補生
長編 2022/11/03 17:03 8,763view
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「あのとき、アイドルになる夢を諦めて本当に良かったと今はそう思います」

そう語ってくれたのは長野県在住のユウジさん(仮名)。今は地元で農業を生業としている。
今回、自身の怖い体験談についてインタビューに応じてくれた。養成校での怖い体験談をぜひとも最後まで読んでほしい。

-アイドルを目指したきっかけから聞かせてください。
ユウジ:自分が中学生のときにテレビで見た韓流アイドルに憧れました。以来、勉強そっちのけでダンスや歌に明け暮れました。地元の農業高校に進学するも、アイドルへの夢は膨らむばかりで、より一層のめり込んでいきました。文化祭のステージに始まり、路上パフォーマンスでダンスと歌を磨いていました。その甲斐あってか、地元ではかなり有名な存在でしたよ(笑)高校3年生の進路相談で、素直にアイドルになるため東京の養成校に通いたいことを担任と母親の前で話しました。

-担任教師、ご両親の反応は?
ユウジ:農業大学へ進学すると勝手に思っていた担任と両親から激怒されるかと思っていましたが、意外にも一定の理解を示されました。まぁ俺が自宅や学校の敷地内で、暇があれば歌とダンスの練習に没頭していた姿を見ていたことともあり、その努力は認めていたそうです。また、俺の父親も同様に若い頃に夢を追いかけた経験があるようで、それもあって頭ごなしに反対できなったとあとで聞きました。そんな父親にも真剣にアイドルになりたいことを告げると、ある条件を出されました。

-その条件とは?
ユウジ:“3年間、養成校で頑張ってみろ。3年で結果が出なければアイドルの夢はきっぱり諦めて、家業を継ぐこと”という条件です。

-3年!長いような短いような・・・

ユウジ:短いです(笑)それでも地元ではそれなりに名が売れた存在という自負もあったからすぐに上京を決めました。だからすぐ通用するものだと高をくくっていたのですが、養成校ではこんなレベルでも燻っているのか?という生徒がごまんといました。自分がいかに井の中の蛙だったかというのを思い知りましたね。「東京ってすげぇ」と、初めて挫折を味わいました。

-しかしみっちりと基礎からやり直したんですよね?
ユウジ:めげていても始まりませんし、時間がとにかくもったいないと思って今の自分の実力を素直に受け入れました。それこそ寝る間を惜しんで日々レッスンに明け暮れました。どんなに時間があっても足りない。某少年漫画の精神と時の部屋があったら、入りたいと本気で思いましたね。

-2年程で校内オーディションでようやく合格を取れるまでになったそうですが
ユウジ:定期的に校内オーディションがクラスごとにあるんですが、参加は基本的に自由です。腕試しと場慣れの意味で自分は毎回受けていました。自分の通っていた養成校の講師は、その道を志すなら誰もが知っているような有名人が多く在籍していましたが、やはりそういう道のプロのダメ出しは凄いですよ(笑)その場で逃げ出したくなるような罵倒が飛んできますから(笑)でもそんな罵倒を受けながらも合格というようやく華開いた瞬間が自分にも訪れたときは嬉しさ一入でしたね。努力を認めて貰えたっていう思いで、涙が溢れました。

-しかし合格といってもあくまでも“校内”。それが通ってもレコード会社やプロダクションのオーディションが通るとは限らない
ユウジ:そうです。外部オーディションで合格を貰って初めてデビューへの道が開く。あの狭き門は今でも夢を見るくらいですよ

-同期のデビューに何を思ったのか?
ユウジ:校内オーディションは受けるようになっていても、他のオーディションには受からない。そんなときにオサム(仮名)という同期のデビューの話を聞きました。新潟から出てきたヤツで、何かと自分と張り合うことが多かったライバル的存在でした。そのオサムが先に巣立っていくことにかなり落胆しましたね。自分の実力を知って辞めていくヤツ、デビューが決まって巣立っていくヤツ、そんな連中を嫌と言う程見てきましたが、オサムのデビューだけは本当にショックを受けた。周りの評価がオサムより自分の方が勝っていると言われていただけに、なぜオサムが?という思いと、自分だけが取り残されてしまうという嫉妬と恐怖が入り混じる混沌とした気持ちに陥っていました。精神的に一番キツかったです。

-両親との約束の3年という期間が近付いてきた

ユウジ:執行猶予終了まであと数か月に迫っていました。そんなときアイドル養成プロジェクトがTV番組で行われるというので、それに応募しました。5,000人を超える応募者数から1次で100人、2次で50人、3次で10人と徐々に絞っていくんです。自分は2次まで生き残りましたが落選しました。

-2次の50人まで残るのは相当凄いこと!
ユウジ:いやいや、そんなことないです(笑)その結果の通知を受けたときに「君のダンスと歌の実力は応募者の中でも上位。しかし“華”がない。見る者を魅了できるだけの魅力が圧倒的に足りない」と番組製作者から言われました。自分でも地味な顔はコンプレックスでしたから、そのこと言われているんだろうなぁと悔しかったですね。

-そこに悪魔の誘いがあったんですよね
ユウジ:そうです。その不合格を受けて1週間くらい経ったある日、番組関係者と名乗る人から連絡がありました。個別に話をしたいと言われて、都内のとある製作会社に行きました。不合格を出した側だが、君に光るものを感じた、落とすのは忍びなかったがこれも番組上仕方ないことは理解してほしいと前置きされました。そのうえで、君のデビューを手助けしたいと提案されました。

-どんな提案だったのですか
ユウジ:まずは顔を変えようと、整形の話を持ち掛けられました。執刀するのはテレビでもお馴染みの誰もが知る人でした。自分も顔にはコンプレックスがあったから、整形一つでデビューできるならとその時は内心舞い上がっていました。

-でもそんな生易しいものではなかった
ユウジ:その男は1枚の写真を見せてきました。BTSとかそういう感じの顔で、この顔になってもらうといわれました。自分の顔からここまでこの顔になるんですか?と訊きましたよ、さすがに。すると顔の骨を削ったり大がかりな“工事”にはなるというんです。いやいや、“工事”ってどういうことと思いましたよ。こっちは軽いプチ整形で終わると思っていたし。

-そして衝撃的な一言を告げられる
ユウジ:そこまでやらないとダメなんですか?と確認しました。すると男はアイドルになりたければそこまでしないとダメだと言い切りました。自分もオサムの件もあったし、精神的に不安定になってたり焦っていたんでしょう。押し切られる形でやりますと言ってしまった。すると男は契約書を取り出しました。まさかの専属契約書でした。会社名は本当かどうかわかりませんが、韓国の有名な芸能プロダクションの名前が書いてありましたね。
サインしようとペンを持ったところで“君は死ぬことになる”けどいいね?と念を押される形で質問されました。

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コメント(8)
  • これは怖い。生き馬の目を抜く芸能界。嘘か真か 真偽のほどはわかりませんが、いかにもありそうな話です。

    2022/11/03/20:25
  • 別人かよって思うレベルの芸能人多いですから、あり得る話かと思ってしまいます。怖い((( ;゚Д゚)))

    2022/11/05/10:38
  • 動画で聴くとまた違った印象で面白い

    2022/11/09/09:03
  • オサムニダ

    2022/11/10/18:06
  • 面白かった!

    2023/01/15/21:19
  • 気づいていないのか。我々は常にお前を監視している。

    2023/05/24/19:53
  • こわ

    2023/10/06/00:37
  • 無敵の笑顔で沸かすメディア

    2023/10/27/14:27

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