「幸せになること」は最高の復讐なのか？

その他にも援助交際（今でいうパパ活）がバレただとか、うっかり本物の「その筋のもん」にイタズラをしただとか、Sさんのいたクラスではその後も様々な事件が起こりましたが、Sさんは自力で「こういう環境にいてはダメだ」と気付くことができました。
そうして必死に勉強し、底辺クラスの高校からそれなりのレベルの大学に進学。
そこからまっとうな職を得て、今では結婚も考えている彼氏もいる幸せな生活を送っているそうです。

ちなみにSさんはこの件については次のように考えているそうです。
「幸せになるのが最高の復讐だとは言いますが、やっぱり（悪いやつが）自業自得の結末を迎えるのを見るのは最高ですね」と。
一方で「ああいうのを見ていると自分もそうならないように気を付けないといけない」、「悪いことが当たり前である環境から脱出しなくてはならない、朱に交われば赤くなるから」とも考えたそうで、Sさんは「底辺ラインの学校から底辺ラインの職場へ」という彼女のいた高校ではよくあるパターンを実際に避けることができました。
確かに私も、人間は社会的な動物である以上周りの環境や周りの人の行動・考え方の影響はかなり大きいと経験的に思います。
もっともこれに気づくことができてもそれを生かすことが出来る人は少数なわけで、そこがSさんのすごいところだと思います。

なお、件のブレスレットは今は箱に入れて大切にしまってあるそうです。
高校の時以来このブレスレットを使う機会はなかったそうですが、それは彼女が良い環境に移り、良い人たちに囲まれることができたということ。
もうちょっと汎用性のある組み合わせにしても良かったかなと思わないこともありませんが、ともあれ最も良い結果になって良かったと思います。