呪いの部屋

あれは就職して間もない頃。研修のために同期40人で合宿をしていました。

3〜4人が同室一部屋でしたが、開始後まもなくある部屋の子だけが次々に体調不良を訴え始め、入院してしまう子までいました。部屋はローテーションで、その部屋に当たった子全員がそのようになるので徐々に噂になり始めました。

また、同期の中で3人もの子が霊を見たと言い出し、しかもその3人はそれぞれ別の班で話す機会もないのに3人共女の子と中年男性を見たというのです。そこは独身者の合宿施設で男子も子供もいない筈だし、例の部屋の子達が体を壊していく様子にみんな脅えていました。私は最後までその部屋に割り当られることはなかったのですが、合宿施設のルールで部屋の扉は開けたままでいることが決められており、その部屋の前を通るときは中を見ないようにしていました。

ある日深夜のトイレからの帰り、いつも通りその部屋を見ないように通り過ぎて自室に入ったはずなのになぜか私がいたのは例の部屋。その上部屋には誰もいなくて、恐怖のあまり今度こそ自室へ走り、隣のベッドの子を起こして一緒に寝ました。

その後研修終了まで何事もなく終え、それから数ヶ月後その合宿施設へいく機会がありご挨拶に伺うと、例の部屋は合宿部屋ではなく洗濯室になっておりました。

そうせざるを得ないような何かがあの部屋にあったのか、今も考えてしまいます。