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呪い・祟り

ウェンディゴさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

夏休みの侵入者
短編 2022/06/01 21:02 1,109view
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小学生の頃の話だ。夏休みに父と和室でテレビを見ていた。

ふと畳を見ると1匹の蟻が歩いているのを見て「あっ!蟻だ!こんな家の中まで入ってくるんだ」と父と笑って話した。

次の日、同じように家族でテレビを見ていた。父は畳の上に新聞紙を敷いて、足の爪をパチンパチンと切っていた。

すると「おっ!またこんな所に蟻発見!しかも3匹も!」と新聞紙の上を並んで歩く蟻を足でつぶした。

母は「いやねー夏になると虫が出て」と嘆いていた。しかし、これまで家でハエや蚊以外見たことなかったので、なんだか不思議に感じていた。

ある朝、和室から母の「ぎゃゃああ」という声に驚き、和室に向かうとテーブルに置かれたコップを指さして叫んでいる。

そのコップには前日飲み残したオレンジジュースが入っていてジュースには大量の蟻が浮かんでいた。

その頃、住んでいたアパートは1階で、どこかにスキマがあって入ってきたのだろうと父は言った。

蟻対策のためにホームセンターで蟻退治グッズを買い込み、ネットで対策を調べた。

するとアパートの前の小さな庭に蟻の巣があるのではないかと考えられた。

そして巣を始末しない限り、夏中、蟻に悩まされそうだった。

さっそく家の中と庭に「蟻の巣ころり」という薬をまいた。蟻を甘い薬で誘い、その薬を蟻に巣まで運んでもらい、女王蟻も含めて全滅させるという作戦を実施。

すると作戦は的中。その日を境に蟻を見かけなくなった。

そんな事があったのを忘れていた夏休み後半の出校日。

私はのどが渇き、もってきた水筒をがぶ飲みした。

すると口中に広がるガサガサとした感触で、教室の中にも関わらず水筒のお茶を一気に吐いた。

なんと、そのお茶には大量の蟻の死骸が浮かんでいたのだ。

母は冷たいお茶を用意するため、前日に沸かして冷蔵庫に入れる前に水筒のふたをしないで、テーブルの上で冷ましておいたらしい。もしかしたら、その時に蟻の生き残りが入ったのかもしれない。

蟻の祟りだろうか。

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