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妖怪・風習・伝奇

壇希さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

猫の入学式
短編 2021/02/02 21:54 8,106view
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いつの間にか宴会の騒音が遠くに聞こえる。肩の烏は氷のように動かない。

「こんな所にも光線銃があるのね。おちおち飛んでもいられやしない。嫌な世の中になったもんだね」

烏は悪態をつくと、勢いよく私の肩を飛び立った。
爪が容赦無く肩に食い込み、鋭い痛みがはしる。

「ほら、たったかたったか歩かないと。足が棒になるわよ」

烏は私を先導し始めた。どこに誘うつもりなのか。

「ほら、見えてきたよ。お天道様だ」

烏は枯れ木の細い枝にとまった。そこは断崖絶壁だ。これ以上道はない。

「ここから先は一人だよ。早く行きな。遅刻するんじゃないよ」

早く行けとはどこの事だろう。学校だろうか。
しかし、私は崖の先には行けない。私には羽はない。

「あたしはお琴を弾かなくちゃいけないんだよ。ごらん、木々の葉が回り始めてるだろ?」

確かに私たちの背後の葉っぱがくるくると回っている。夜更の合図だ。

「ひとつ教えといてあげるよ、空が赤いのは祝いだよ」

そう言い残すと、烏は崖の向こうへと飛び立っていった。

確かに空が赤い。私を祝福してくれているのか?
ふと見ると、私の白い毛のそこかしこに血が付いている。その血がやけに獣臭い。

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コメント(3)
  • 作者がこえーよ

    2021/02/03/05:14
  • 風変わりな作品で中々面白かったです

    2021/02/04/01:17
  • なんの比喩かわからない。
    作者の闇を感じる。

    2021/11/23/13:10

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