同棲していた彼の実家は

当時私は、付き合っていた彼と同棲していました。

もともと私は、身体が丈夫な方ではなく、ある日ものすごく体調が悪くなってしまい、ものすごい寒気と高熱がありました。

2、3日経っても悪化するばかりなので、これは風邪が悪化してしまったんだなと私は病院へ行って薬をもらいたいなと思いました。

とても、一人で歩いていける身体ではなかったので、同棲していた彼に病院へ連れてってほしいと頼みました。

けれど、そのときの私たちは、ぎりぎりの生活をしていて、あまりお金がありませんでした。

すると彼は、

「俺の実家へ行こう」と言うのです。

私は意味が、分からず病院で薬をもらいたいと言うのですが、彼は実家へ行けば治るからと私を車に乗せました。

彼の実家へ行くとまず仏壇のようなものに手を合わせられ、私は、座っているのも耐えられないくらい体調が悪かったので寝ころばせてもらいました。

すると彼の祖母が、

「よく、がまんしたね。今から治してあげるからね。」と、私に対してお経のようなものを唱え始めました。

お経が終わり、彼が、

「これで治るから、そろそろ帰ろうか」と言って帰宅しました。

その後、彼から聞いた話しによると、彼の家は、ある宗教に入っていて病院に行かなくても、その宗教のおかげで治す力があるそうなのです。

しかし、私の症状は治るどころか悪化するばかりで、なんだか怖くなり母に電話をすると、母は、すぐに病院へ連れてってくれて、医者には、「もう少し遅ければ危なかった。高熱で亡くなることもあるんだよ」と言われました。

その後、同棲していた彼とはもう付き合えないと思い別れましたが、全く効かないお経のようなものをなぜ信じられるのか。

死にそうな状態になっていても、なぜ病院へ彼は連れて行こうとしなかったのか。

いまだに不思議です。