不思議な電車

遠縁の女性の遺体が見つかったタイミングと言い、あの不可思議な電車の車掌の言葉と言い、きっとあれは死者しか乗せない、私のような生者は乗ることの出来ない電車だったんじゃないかと思う。

老婆は、きっと1人では寂しいから、道連れじゃないけど、誰か一緒に居てくれる仲間のような存在が欲しかったんじゃないかなぁって。

何故、私が選ばれたのか、それは老婆と薄くても血が繋がっていたからじゃないかと思った。

その後、遠縁の女性（老婆）のお葬式をするということで、葬式会場に行ったけれど、そこではとくに何も起こらなかった。

遠縁の女性の幽霊でも出るかなぁと、ちょっと身構えてはいたんだけど、きっとあの電車に乗ったことで、天国か地獄か分からないけれど、そういう場所に行って成仏したんだと思う。

そういえばあの老婆の顔はよく思い出せるのに足元は記憶に薄っすら煙かかって思い出せないなぁとか、あの車掌さんの顔って黒い霧がかかっていて表情がよく見えなかったなぁって、後から思い出してくることもある。

まるで「銀河鉄道の夜」のような、不思議でちょっと恐ろしい出来事でした。