何だか変な空気になったのもあり、そして今いるお店が閉店間際ということもあって、今日はもうここで解散ということになりました。
私達が立ち上がるとG男さんも素直に席から立ち上がり、レジに向かう私達の後を、ふらふらと左右に揺れながらついてきます。
D男さんがまとめてお会計してくれるというので残りの私達はお店の外に出たのですが、いつの間にかG男さんの姿が消えていました。
男性陣からは「あいつ、先帰っちゃったのかな？ごめんなー、空気変になっちゃって。いつもはあんなんじゃないんだけど」と謝られ、そのままおかしな空気のまま解散したのです。
翌日は仕事だったので職場に行くと、先に来ていた同僚のA子さんが青い顔をして自分の席に座っていました。
私「A子さん、昨日は合コン誘ってくれてありがとうございました。何だか不思議な感じでしたね。それにしても顔色悪いですが、飲み過ぎましたか？」
A子「ううん、あのね、驚かないでほしいんだけど…」
私「どうしたんですか？」
A子「G男さんって、昨日いたじゃない？覚えてる？」
私「ああ、後から来た方ですよね。その人がどうかしたんですか？」
A子「亡くなっていたらしいの。G男さんがD男君に電話をかけた時間に、G男さん、電車に轢かれて亡くなっていたらしいのよ」
A子さんが言うには、つい先ほど、会社で上司からG男さんが亡くなったことを聞いたD男さんが、連絡してきてくれたらしいのです。
私「そ、それって…。でも、G男さん、お店に来ましたよね」
A子「うん、私も信じられないんだけど…。でも、本当らしいのよ」
G男さんは、ホームから転落して、ちょうど来た電車に轢かれて亡くなったようなのです。
あの時、電話越しに聞こえてきたギャリギャリという金属が擦り合うような音は、G男さんが轢かれた音なのかもしれません。
また、G男さんは首のところで頭と体が離れていたということも聞きました。
だからあんなにも話し辛そうに、声が間延びしていたのでしょう。
自分だけではなく、他の人も同時にG男さんの霊を見るという、驚きの体験をしました。
怖いですね