煙草
投稿者:コオリノ (3)
短編
2022/04/06
14:21
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電話で消防士の方の支持に従い、あっと言う間に朝を迎えた。
そう、俺が電話した先は119番だった。
あの時、匂った異臭の正体はガスだ。
匂いに気が付いた俺は、水に浸かったとはいえ、万が一と考え煙草を隣の空き地に放り投げた。
もしあの時何も気付かずに煙草を吹かしながら扉を開けていたら……。
あの後駆け付けた消防士の方と警察の方とも話したが、ガス漏れではないかと言われた。
だがあの時の女の行動は何がなんでも怪しかった。
ただ、俺はあんな女知らないし会ったのも初めてだ。
なのになぜ俺の部屋を知っていたのか、なぜ部屋に入れたのか?
どう考えても思い当たる節がない。
警察にも話したが、それが本当に女の仕業なのかも疑わしいというような扱いを受け、結局はその後事件の進展は何も無かった。
ただ、その後一つだけ俺には思い当たる節があったのを思い出した。
いや、思い出したくなかったのかもしれない。
……実は、俺は親父を事故で亡くしている。
出張先のアパートで、ガス漏れが原因の火事だった……。
偶然……だよな……?
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