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ちゃごさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

ザリガニの祟り
短編 2022/03/05 00:55 1,446view

八王子市横川町に弁天池という小さな周囲200メートルほどの池がありました。

約30数年前に宅地造成のため埋め立てられ現在はありません。

かつてその弁天池ではザリガニ採りをする子どもたちが溢れ、地元の子どもたちの格好の遊び場となっていました。

その池にいつも遊びに来ていた男の子がいましたが、学校では友達もおらず、学校が終わるといつも弁天池でザリガニ採りをして日が暮れるまで過ごしていました。

その子どもがある日、ザリガニ採りをしていると誤って池に落ちてしまい亡くなってしまうという痛ましい事故が起りました。

しかし不思議なことにいつも子どもたちで溢れていた弁天池で、その事故の時に限ってそれを目撃していた子どもたちは一人も居ませんでした。

それから間もなく、誰も居ない弁天池に遊びに行くとザリガニの霊が池から現れてハサミで足を捕まれ池に引き釣り困れるという噂が子どもたちの間で流れ始めました。

弁天池は子どもたちからは恐れられ、事故を心配する親たちから敬遠されるようになり、そして町の人からも遠ざけられるようになり、いつしか誰も寄り付かない池へと変わっていきました。

それからしばらくして宅地造成のために池は埋め立てられることになり、かつて弁天池があった所にも一軒の家が建つことになりました。

そこにかつて池があったことも知らない人たちが多くなり、池で起こった事故のことや噂話も忘れられていきました。

しかし2011年3月11日に再び事故が起ります。東北大震災の余波を受け東京でも大きな揺れを観測した日に、かつて弁天池があった所に立つ一軒家だけが震災の影響で火災が発生し住人の方が一人亡くなりました。

かつて池があった場所のためもともと地盤の弱さが影響し揺れも大きく火災に繋がったとのことでした。

この倒壊した家にはもともと家族が5人住んでおり、いつも仲良く暮らしていたそうですが、その日だけたまたま4人の家族は外出しており、一人だけが家にいた時に惨事が起りました。

亡くなった方の死因は、冷蔵庫が倒れて足を挟み込み、火災から逃げられずに亡くなったそうです。

一人でいる者の足を挟んで池に引き釣り込む弁天池のザリガニの霊の祟りはまだ続いていたのかもしれません。

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