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ヒトコワ

音松さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

執拗につけてくる見知らぬおじさん
長編 2022/01/19 18:50 6,755view
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それから15分が経過し、彼氏が迎えに来てくれた。
ただ、彼氏が迎えに来るまで私の後をつけていたおじさんは50m程先の道でずっと停車していた。

彼氏が迎えに来てくれたと同時におじさんは居なくなった。

結局おじさんが誰だったのか、何目的で私の後をつけていたのかは分からずだった。

この日から1週間程が経過し、この1週間おじさんを見かけることはなかった。

そんなある日、私はアルバイトに行き、いつも良くしてくれる40代のパートさんと和気あいあいとしながら仕事をしていた。
ちなみに私のアルバイト先は飲食店。

40代のパートさん「平日だと比較的空いてるから体も楽だよね」
私「そうですね」
40代のパートさん「そんな話をしてたらお客さん来ちゃったね(笑)」

私「こういう話はしない方が良さそうですね(笑)」
私「私がご案内しますね」
40代のパートさん「おねがい!」

お店のドアが開き、「いらっしゃいませ!お客様は何名様でしょうか?」と尋ねた瞬間、私は恐怖を感じた。

そのお客様は約1週間前に私の後をつけてきた車のおじさんだったのです。

「2名で」ニヤニヤとしながらおじさんはそう言った。

怖い気持ちを抑えながら席へと案内し、「お決まりになりましたらお呼びください」と言って私はその場を後にした。

あまりにも私の様子がおかしかったのか40代のパートさんが「大丈夫?何か嫌なこと言われた?」と声をかけてくれ、全ての事情を話した。
すると「あのお客様は私が全て対応するから、他のお客様の対応よろしく!」と言ってくれた。

でも、そうはいかなかった。

私がおじさんの近くのお客様を接客する度に「お姉ちゃん!終わったらこっちもよろしく!」などと声をかけてくる。
ベルを鳴らさず私を直接呼んでくるのです。

それを見た40代のパートさんは「大丈夫?」と何度も気にかけてくれた。

長いこと飲食店で勤めていたが、注文とお茶のお替り以外店員を呼ぶお客さんは早々居ない。
だがこのおじさんは「お茶のお替りいい?」「お姉ちゃんはここで働いて長いの?」「お姉ちゃんは何歳?」などとどうでもいいことで何度も呼んでくる。
おじさんと一緒に居るおじさんは微笑むだけでほとんど話さない人。

私は高校生だったこともありアルバイトの日は毎回21時に退勤している。
だが、40代のパートさんが気を利かせてくれてこの日は20時に退勤させてくれた。

別のアルバイトの日、おじさんはまた来た。
この日は40代のパートさんは居なかったため私の事情を知っている人が誰も居なく、恐怖と闘いながら21時まで頑張った。

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