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陶芸参謀さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

深夜のビル警備員「5階のアレ」
長編 2021/11/14 23:10 4,979view
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私の高校の同級生の友人、F君から聞いた話です。

F君は高校を卒業して、パチスロやパチンコで生計を立てながら、たまにバイトをしたりして自由に生活していました。

当時は一人暮らしだったため、生活が困窮してきたF君は、そろそろちゃんとした正社員の仕事をしようと就職活動を始めました。

建設関係やドライバーなどのガテン系の募集しか見つからなかったそうですが、F君はビルメンテナンスの募集を見つけたそうです。
深夜帯なら採用される確率が上がるので、F君は迷わずに深夜帯で応募し、採用されることになりました。

ビルの場所はT区にある古いビルだったそうです。
新入社員だったF君は、3つ年上の先輩のWさんに一から仕事を教わりました。

深夜の○○時に全フロアを巡回する、というルールがあったそうで、F君はそれに従って懐中電灯片手に巡回をしていました。
仕事としては日報を書いたり、巡回をしたりするだけなので、これは美味しい仕事だと思ったそうです。

ただ、管理人室で同僚の人とずっと一緒になるので、嫌な相手だった場合は地獄のように感じると言っていました。

F君の先輩であるWさんは人当たりが良く優しい人だったので、仕事自体は楽しかったそうです。
しかし、Wさんは「今年に入ってから5人辞めてる」と話していました。
こんな環境の良い職場なのに、なぜそんなに入れ替わりが激しいのか…。F君は疑問に思いました。

F君がWさんにその理由を尋ねると、「たぶん…5階のアレかな」とつぶやいたそうです。
何のことかさっぱり分からなかったF君ですが、特に気にすることもなく日々仕事をこなしていました。

ある日、F君がいつもの巡回時間がやってきたので、階段で最上階である5階に向かいました。
5階は一室だけ使われていて、その他の部屋は閉ざされていたそうです。

しかし、ルールでは全ての部屋のカギを開け、中に入って不審者や変わったことがないか確認しなければなりません。

F君は誰も使っていない部屋をチェックして意味あるのか…?なんてブツブツと不満を言いながら、ある部屋のカギを開け、中に入りました。
部屋の壁一面がガラス張りになっている普通のオフィスルームだったそうです。

ただ、なぜか黒い布のようなものでガラスが覆われていて、外が見えないようになっていました。
異様な雰囲気だったので、怯えたF君は懐中電灯で中を照らし、さっさと立ち去ろうとしていました。

その時、「ぉーぃ」と小さな声が聞こえてきたそうです。
外にいる酔っ払いが叫んでいるのか?と思ったそうですが、さすがにこの時間に大騒ぎしている輩はいないだろうと思いましたが、念のため外を確認してみることにしました。

黒い布を掴んで剥がし、ガラス越しに外を確認したそうです。
しかし外には猫一匹おらず、ただ信号機が点滅している道路だけが見えました。

やっぱり気のせいか…とF君はホッとして、黒い布を元に戻そうとした時です。
何か誰かに見られているような気がして、何気なく向かいにあるビルを眺めたそうです。

すると、向かいにあるビルの中にいる人が、こちらに向かって手を振っていたのです。
白髪のおじいさんと、中年女性が数人、スーツ姿の男性を確認したと言っていました。

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