ザッ、ザッ、ザッ…砂利の上を歩く足音

数年前の入り盆の日のことです。
私の家は一軒家で、駐車場がコンクリートの玄関を見て左から奥は砂利を引いてます。
私の部屋は二階で、駐車場側を見渡せるのでコンクリート側にありました。
道路から玄関までは歩いて50歩くらいはあります。
なので、車が入ってきた音や歩いてきた音は割と遠くからわかるようになってます。

そんな入り盆の日、いつのもようにベッドに入ってケータイをいじり、眠くなったら寝る。といったルーティーンで時間を過ごしていたのです。
ですが、その日に限って全然寝れなくてずっとケータイをいじって起きていました。

そろそろ寝れるなぁと思って、ケータイを離して目を閉じた時です。

「ザッ、ザッ、ザッ…」と、草履のようなもので歩く音が外から聞こえました。
その足音は、玄関の方まで行くと止まって聞こえなくなってしまいました。

ケータイの時間を見ると朝5時過ぎで、新聞屋さんだと思ったのですが、バイクか自転車で新聞を配る為、その音がしないのはおかしいのです。それに、足音は遠くから聞こえたわけではなく、玄関に行くまでの10歩分くらいしか音がしなかったのです。
その時間、両親は寝ていたので誰も出掛けていませんでした。
かといって、玄関から向かう側の砂利を歩く音も聞こえてきませんでした。私は起き上がってカーテンを開けて外を見たのですが、誰もいなく何もありませんでした。

7時くらいに両親が起きる音を確認して、私もリビングにおりました。そして、ついさっきの出来事を話しました。
「おじいちゃんかもね。」と、母が言いました。「冬でも草履を履いてたし、お盆だから帰ってきたのかもね。」
納得していいのか分からず、けど答えは出ないまま、仏壇にお線香をあげました。