地元の高校に伝わる“有名な噂”

私の地元の高校にはある“有名な噂”があります。

その噂は、何か白い玉のようなものが浮かんでいる事があるというもので、私の友達も含め、何人かが目撃していました。

ただ、皆それは怖いものだという認識は持っておらず、寧ろ「幸運の白玉」「幸運の白魂」などと呼ばれていました。
なぜなら,この白い玉を目撃した人はその後これを発見した場所で何かしら良い事が起きていたからです。

例えばの話になりますが、私の友達のA子ちゃん(仮名)はその白い玉を体育館の倉庫で見かけました。
その数週間後、彼女はその体育館の倉庫の中で、当時女子の憧れの的だった先輩に話し掛けられ連絡先の交換までさせて貰えたそうです。

このA子ちゃんの他の目撃者は、その場所で告白された子,その場所で初めて彼氏と手を繋げた子,バレンタインデーにその場所でチョコを貰えた子がいました。
ただ、これらはほとんど,どちらかと言うと恋愛系の“良い事”だったので、この時期はカップルが急増していたのを覚えています。

この噂を聞いて我こそはと彼氏を欲しがっていた子達はこぞってその玉の目撃証言のある所を見て回っていたようでしたが、見つからなかったそうです。
どうやら、「純粋で素直な心の持ち主にしか見えない玉」らしいのです。

私はそもそも恋愛など興味もなく、寧ろくたばれくらいに思っていたので当時はそこまで気にしていませんでしたが、今よくよく考えてみればとても不思議な事だったなと思います。
何年も前の話なので今ではもう見られないのかもしれませんが……