スーパーロング白髪

あそこまで長い髪を、実物で初めて見たもので

初日は恐怖より感動が勝っていました。

『え〜なにこれすご〜い、めちゃ長！！！』

くらいのテンション、つまり何と言いますか

四ツ葉のクローバーを見つけた感覚に

近しいような、ちょっとしたラッキー！的な…

そんな感じだったので、

取り外した白髪を、あろうことか愚かな私は

ベッド横にあった備え付けの小さな棚の引き出しに仕舞いました。

宝物って隠したくなるじゃありませんか。

そういうことです。

まぁオカルト的なお話ですからね、

このあとも身近も身近、

真横に鎮座する（させてしまった）

白髪の巻き付きに

数日間苦しめられました。

朝になって気付く程度だったのが、

深夜寝苦しくて目を覚ますまでになったもので

自業自得ではありましたが我慢ならなくなり、

いつも見回りと点滴の交換に来てくださる

看護婦さんに、それとなく白髪のことを話しました。

いや、それとなく、ではなくど直球にいったかしら。

話を聞いた看護婦さんは顔面蒼白。

すぐに師長さん呼んでくるから、との言葉通り

数分後には激痛注射をかましてくる師長さんを

呼んできてくださいました。

師長さんがお話しすることには、

以前この部屋、このベッドでお亡くなりに

なられた老齢の女性の霊が……

なんてことは無いそうです。