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心霊

ねこじろうさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ちりんちりんちりん
長編 2023/02/20 15:35 4,530view
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チラチラと見え隠れする。

屋根裏までは結構高くて、大人の身長くらいはあるだろうか。
すると右後方からビュンッと冷たい風が通りすぎた。
それと同時に、あの鈴の音が聞こえる。

─チリン……チリン、チリン……

俺は恐る恐る、懐中電灯を右後方に向けてみた。

そこには……

初めは店用のマネキンが置いてあるのか、と思った。

だが違っていた。 

それは「人」だった。

心臓の音が喉元に響いてくる。
喉がカラカラだ。

緊張しながら改めて照らしてみる。

一瞬で全身に戦慄が走った。

薄紫色の着物を羽織りこちらに背中を向けたその「人」は暗闇の中、首を傾げて無造作にダラリと吊り下がっていた。
そしてどこからか入ってくる隙間風で微かに揺れて、ゆっくり回っている。

同時にあの鈴の音が微かに響く。

─チリン……チリン、チリン……

銀色の髪は半分以上抜け落ちており顔も手も青黒く変色し、しなびて固くなっているようだ。
変わり果てた姿にはなっていたが、その「人」は一階にあった写真の人だ。

鈴の音は、帯に差し込んでいる長財布に付けられた鈴が鳴っていたのだ。

暗闇の中呆然としていると、

コト、、コトコト、、

床を歩くような物音がする。
また右方からのようだ。

俺は慌てて懐中電灯でまた右奥を照らす。

そして再び全身に戦慄が走った。

懐中電灯の光の輪っかは、吊り下がった亡骸の側に佇む奇妙なものを捉えていた。

それは人型をした黒い影。

首の上には大方銀髪を失った皺だらけの女の顔がある。
女はまるで蜃気楼のようにユラユラ揺らぐようにふらつきながら、ゆっくり近付いてくる。

3/4
コメント(1)
  • 警察に通報した後が大変気になります。

    2023/02/20/20:09

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