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心霊

ラキューさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

怨念
長編 2022/12/23 23:58 2,249view

翌日、学校で友人にそのことを話すと、ドイツは幽霊が多いからね〜よくあることだよ!と友人たちは怖がっていませんでした。
私はそれを見て、そんなんだ!よくあるんだ〜と少し気が楽になりました。

私は幽霊の存在を信じているので、まあ見ることもあるか!とその晩もいつも通り就寝しました。
するとまた夜中に目が覚めました。時計を見ると午前2時。流石に3日連続で同じ状況になると、またくるかも、と考えました。
でも昼間に友人に言われたことで、怖さはそこまでなくなっていました。寝ようと目を閉じた瞬間、また金縛りで身動きが取れなくなり、そしてヒールの音が。
またか、と思いながら、近寄って覗き込まれて目が開く。全く同じことが3日で起こりました。
私は3日目にはもう怖さよりも、どうしてこの女性の幽霊は私の部屋に現れるのか、何が目的なのかが気になっていました。

これが毎日続くのも嫌だし、どうにかできないか、考えました。その日はすぐに寝て、朝を迎えました。

その日の夜に、シェアハウスのみんなでご飯を作るパーティーがあったので、その時に日本人の住人に聞きました。
『そういえば前に、この家のこと大家さんに聞いた?って聞いて来ましたよね?それってなんですか?最近心霊現象が起きてて、、、』
と尋ねました。
すると、その人は話し始めました。
『いや、実はね、ここに住んでた前の住人、9.11のあのハイジャック事件のハイジャックしたパイロットが住んでたんだって、俺は大家さんから聞いたんだけど、聞いてないなら言わなくていいかなと思って言わなかった』
私は、ゾッとしました。それじゃあ、あの女性の霊は、その男に恨みを持った人かな?毎日顔を覗き込んで、その男かどうか確認しに来てるのかな?
いろいろと想像しました。

その話をしてくれた日本人伝手に、ドイツでお祓いができる日本人を紹介してもらい、幸い翌日に会うことができました。

お清めの塩をいただいき、その日のうちに部屋の四隅に盛り塩を置きました。
日本のお清めが海外で通用するのか?と思いましたが、その日以降、その女性の霊は現れなくなりました。

後日、地下室に荷物を取りに行くと、あの段ボールが目に入りました。恐る恐る蓋を開けて中を見てみました。
一人では怖かったので、友人と一緒に行きました。今まで触れずにそのままの位置で放置していました。
中には一枚の写真が入っていました。犯人らしき男性と、おそらく家族と思われる人たちと肩を組んで笑っている写真。
背筋がスーッと寒くなり、それ以降は地下に行かないようになりました。
現在日本に住んでいますが、たまにあの頃遊んでいた場所をストリートビューで見に行きます。
久しぶりにあのアパートを見に行ったら、モザイクがかかっていました。

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