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ヒトコワ

ねこじろうさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

ゴスロリおばさん
短編 2022/12/13 15:51 9,559view
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一瞬で包丁の刃先は警備員の顔の真ん中に縦の切れ込みを入れ、そこから噴き出した血しぶきは、机の上の本に飛び散った。

警備員はうめきながら顔を抑えて、その場にひざまずく。

ポタポタと床に、赤い血が落ちる。

立ち上がり逃げようとする女子高生に、女はまた思い切り中華包丁を切りつける。

白い手首が、ポトリと床に落ちた。

「ぎゃああああ!」

引き裂くような悲鳴が館内に響き渡る。

僕は思わず、その場からかけ出した。

立ち並ぶ書棚の横を真っ直ぐ走りだす。

3mほど後ろを、中華包丁を持った女が追っかけてきていた。

厚底ブーツでカポカポと足音を立てながら。

途中あちこちで、男のわめき声や女性の悲鳴が聞こえてくる。

何度か廊下の角を曲がり、カウンター横の階段を駈け降りる。

後ろから、女の激しい息遣いと、カポンカポンという足音が聞こえてきている。

僕は前につんのめりながら、階段を下まで降りた。

そのまま真っ直ぐエントランスを駆け抜ける。

「あああああああああああ!」

後ろから意味不明な女の奇声が聞こえてくる。

正面ドアを開けて、外に出た。

植え込みを飛び越え、駐輪場を駆け抜けようとしたときだった。

自転車の後輪に足を引っ掛け、数台の自転車をなぎ倒しながら、派
手に倒れこんだ。

挫いたのか、足に激痛が走る。

コンクリートの床の上にうずくまっていると、荒い息遣いとブーツの足音が聞こえてきた。

女が包丁を片手に、近づいてきている。

「や、止めてくれ……」

尻もちをついたまま、ジリジリ後ろに下がる。

女は僕の真正面に仁王立ちになると、ゆっくりと包丁を振りかざした。

すると、

「ええ!シノブじゃないの~!?」

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コメント(4)
  • という夢でした、と信じたい内容ですね‥

    2022/12/13/20:49
  • 俺も投稿者自身の妄想かと信じたい。

    2022/12/13/21:50
  • それで、逮捕されたのですか?

    2022/12/15/00:39
  • 妖怪じゃん

    2023/06/25/14:16

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