熊かと思った

夕食は至ってシンプル。
飯盒で炊いた米とカレー。

山の中で綺麗な星空の下で食うカレー、もうシチュエーションだけで美味い。
そんで極めつけにイワナの塩焼き。もう最高。

酒を飲みながら21時頃まで語り合ってた。
星空も満喫したし、もう寝ようか、ってことに。

それぞれ寝袋に入って、彼女は一瞬で寝た。
俺もその5分後くらいには寝たと思う。

夜中、テントの外から聞こえる物音で目が覚めた。

ガサガサ、ガサガサ…
息遣いも聞こえる。

流していたはずのクマよけのラジオが切れている。
やばい、クマか、どうしよう。

走って逃げきれるほどクマは遅くないし、
パワーで勝てるわけもない。
不運にも開けた場所、クマは下り坂に弱いが平面と上り坂は強い。

居留守使おうにも、においで100%気付かれてる。
鍋に残ったカレー食って帰ってくれ、と思ったらテントに触り始めた。