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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

【裏拍手】─死者を誘う拍手─
長編 2022/11/13 17:45 5,703view
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彼女は鏡を睨みながらしばらく立っていたが、やがて辺りを見回し「まさかそんなこと、起こるわけないか」と苦笑いすると、また遺影を両手に持ち浴室を出た。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

翌日は仕事が休みだったから、麗奈はいつもより遅めにベッドから降りた。

既に9時を過ぎている。

昨日ベランダに干した洗濯物を取り込もうと、彼女はサッシ戸のカーテンを一気に開けた。

「ひ!」

とたんに心臓が止まるくらいに驚き、思わず尻餅をつく。

透明なサッシ戸の向こうに、くっつくようにして劉生らしき男が立っていた。

ただその顔には生前の面影は欠片もなくげっそり痩せこけていて、焦点の定まらない2つの瞳で微笑んだまま呆けたように立っている

しかも衣服は何も身に付けておらず素っ裸だ。

身体のあちこちには痛々しい傷があり、全体に薄汚れている。

「劉生、、、劉生なの?」

麗奈は呟きながらゆっくり立ち上がりサッシ戸を開け、男を室内に招き入れ、そのまま浴室に連れていくと熱いシャワーで隅々まで洗ってあげた。

そしてタオルで拭くと、とりあえず白いガウンを着せる。

その間、男は終始笑顔で無言だった。

それから居間に連れていくと、ダイニングテーブルの前に座らせ、向かい合って彼女も座る。

そして麗奈は、虚ろな目で微笑む男の顔を見ながら話し始めた。

「劉生、ありがとう。
私のために帰ってきてくれたのね
本当に嬉しい。

ねぇ、あっちの世界はどうだった?
やっぱりこっちとは違う?
いっぱい話を聞かせてよ」

果たして麗奈の問いかけが聞こえているのかいないのか、男は相変わらず虚ろな目で宙の一点を見ながら、じっとしている。

「ごめん、ごめん、お腹空いてるんだね?
すぐご飯作るから、ちょっと待ってて」

そう言って彼女は立ち上がると台所に行き、料理を準備し始めた。

やがて男の前には、野菜炒めとご飯、それと味噌汁が並んだ。

「ごめんね、劉生、急だったから、そんなものしか出来なくて。明日はあなたの好きなハンバーグ作るから」

そう言って麗奈は男の前に座る

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コメント(1)
  • えっ?

    2022/11/30/09:30

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