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呪い・祟り

INVIさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

何かが来ている
短編 2022/10/01 17:35 2,727view
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まるで、何かが通ったようだ。そう思った友人は、ふと嫌なことを考えてしまった。

もしや、死神か何かがここを通っていたんじゃ。

おじいさんを迎えに来たなにかは、毎日徐々に歩みを進めていって遂に今日、おじいさんにたどり着いたんじゃないかと。

その時はそれを悪い想像だと一蹴しつつ、家に戻ったそう。

だけどそこから数か月後、今度は友人の住んでいた家に異変が起こった。

彼も庭に彩のために花を多少植えていて、芝も伸びすぎないように手入れしてたんだがその一部が何かに、つぶされていた。

いやいや、まさか。友人はそんな風に思いつつも、あの偏屈なおじいさんのことが頭から離れなかった。

日に日に近づいてくる何か、それにおびえて暮らしていた友人。しかし、恐怖には耐えられなかった。

結局友人は長年住んでいたその思い出の家を手放すと、その田舎を離れて都会の方へ引っ越した。

その後友人は特に病気などになることもなく、健康に暮らしていたそうだ。もっとも、それもあの現象への恐怖から頻繁に健康診断へ向かうようになったからかもしれないがね。

とはいえ、話はここで終わりじゃない。

あの後、実は友人も一度だけ田舎に様子を見に行ったらしい。自分の家は、あの得体のしれない跡のようなものはどうなったのかが気になって。

そうしたら、まだ残っていたんだそうだ。その跡が。

花や芝を押しつぶして進んでいたそれは、彼の住んでいた昔の家の中を通過したのだろう。家を抜けてそのまま反対側から、さらにまっすぐ進んでいっていた。

そしてそのまま、進んでいった先の家を見て友人は絶句したそうだ。

その跡が進んでいった先、そこにもぽつんと家があってお年寄りが住んでいたんだ。

だけど、その人もまたちょっと前に亡くなった。

あのまま跡が進んでいったら、ちょうどこの日につくだろうなって、タイミングで。

あれは、本当に死神だったのか。自分が死ななかったせいで、そのお年寄りは死んだのか。

わからないけれどそれでも、友人が生きていてよかったと。今はただ、それだけを考えている。

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コメント(1)
  • 死神の足跡に思えて怖い

    2022/10/02/09:15

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