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意味怖(意味がわかると怖い話)

ねこじろうさんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

出来れば知りたくなかった父の秘密
長編 2022/09/13 00:47 14,391view
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大輝は急に真顔になると、庭にあるプレハブ小屋の方を指差しながら、言った。

「あのね、愛菜ちゃんがくれたの」

「愛菜ちゃん?」

妻が驚いた様子ですっとんきょうな声を出す。

俺は笑いながら「そうだったな、大輝は今朝、愛菜ちゃんと遊んでいたんだよな」と言いながら、カメラ本体に付属した液晶画面を開いてみると、録画用の小型テープが収納されているのが見える。

─このテープには一体、何が録画されているのだろうか?

もう何十年も放置されていたはずだから、動くはずはない。
だから俺はまた液晶画面を閉じると、母が作った鍋をまた食べ始めた。

その翌日の晩のことだ。

会社の新入社員歓迎会に参加した俺が、自宅マンションに帰りついたとき、時刻は11時を過ぎていた

既に、妻と息子は寝ているのだろう。
玄関以外の電気は全て消されていて、シンと静まり返っていた。

軽くシャワーを浴びて部屋着に着替える。
そして自分の部屋に行くと、出勤前からA C アダプターを繋いで充電していたハンディカムを手に取り、再び居間に戻った。
ソファーに座り、液晶画面を開くと、少し緊張した気分で、再生ボタンを押してみる。
信じられないことに、画面には画像が現れ、動き始めた。

恐らく学生の頃の友人たちとか、付き合っていた彼女とか、沈んでいく夕陽とか、まあとりとめのないものがごちゃごちゃ写り混んでいるのだろう、と思っていたのだが、それは全く違っていた。

初めは薄暗い部屋の中の様子が映っていた。
粒子が荒く少し分かりにくかったのだが、それは紛れもなく、かつて俺が暮らしていたプレハブ小屋の中の様子だった。

壁に貼られたアイドルのポスター。

ノートとペンが置かれたままの勉強机。

空の缶ジュースが転がる床

、、、

懐かしい学生の頃の思い出が走馬灯のように、目の前に浮かんできた。

部屋の中の情景がしばらく続くと画面は制止し、今度は微かだが人の声が聞こえてきた。
最初はよく聞き取れなかったのだが、やがて、それは誰かの泣き声というのが分かった。

そして画面中央に、いきなり人の姿が現れる。

切り揃えた黒い前髪。
薄いピンクのトレーナーにスカート、、、
それは女、、、というか、まだ幼い女の子だ。

3/5
コメント(1)
  • 出来ればそのビデオ売ってほしかったわ。

    2023/07/15/17:19

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