虫のついたヨーグルト

これはあるフリーター女性のヒトコワ体験である。

時期は今から１３年くらい前だったと思う。

コンビニでアルバイトをしていたフリーター女性の窪さん（仮名）はいつものようにレジで接客をしていた。

そこにある若い男性が商品を持ってレジにやってきた。

眼鏡をかけた２０代前半くらいの長身で色白の男性客だった。

窪さんは男性客の表情を見て一瞬嫌な予感がした。

何か胸騒ぎがする・・・。

男性客は手に持っていたヨーグルトを窪さんの目の前にまじまじと見せつけてきた。

ヨーグルトの器の下の方に注目しろと言ってきた。

窪さんはそこを見た。

何と、虫がついていたのだ。

男性客はこう続けた。

「このヨーグルトに死んだ虫がついているから、虫を取ってください」

窪さんはお客様に迷惑がかかったと思い、こう返事した。

「大変申し訳ありませんでした」

「今すぐ同じ商品で大丈夫なものを売り場から持ってきます」

窪さんは男性客に頭を下げて同じヨーグルトを取りに行った。

レジに戻ると無表情だった男性客の表情が少し歪んでいた。

「こちらは何ともない大丈夫なヨーグルトです」

「大変ご迷惑おかけしました」

男性客の様子がおかしい。