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妖怪・言い伝え

修学旅行での出来事
中編 2021/01/14 12:10 2,052view
私が中学校の修学旅行で西日本のある県に行った時の話。
この修学旅行は3泊4日で、3泊全てが田舎の民家に泊まる民泊というものだった。
民泊先は40代くらいのおじさんとおばさん、小学生の子供が男女1人ずついる家で、友達3人と私の計4人でそこに泊まった。1日目は到着したのが夕方だったので夜ごはんを食べて、川に蛍と星空を見に行った。田んぼだらけの田舎だったから星が綺麗だったのを覚えている。

2日目は薪割りをしたりお茶を作ったりした。おじさんが近くにある峡谷に行こうと言い、昼過ぎに車で子供2人を小学校に迎えに行き、そのまま峡谷に向かった。
山の入り口の駐車場に車を停めてそこから川沿いの山道を歩いた。(川沿いとはいっても川は道の何mも下)
他に人もいなくて、競争をしたり周りの植物を見たりして歩いたと思う。
20分ほど歩くと川に向かって階段が降りている場所に着いた。
そこから降りた所は河原のようになっていて、最初はみんなで水切りをしたり大きい岩の上を飛んだりして遊んでいた。
ちょっとしてから私と友達のAが河原の続いてる奥の方に行ってみたいと言うとおじさんも「気を付けてねー」みたいな感じで特に止められたりしなかったので、Aと2人で下流側に向かって進んで行った。
少し進むと最初に降りた場所よりも歩ける部分が狭くなって、横並びで歩けなくなったから私が前、Aが後ろで歩いていった。頭上まで伸びてきている山側の木が影を作っていて「こえーこえー」って言って笑いながら2人で石の道を進んだ。

それから数分歩いて変わり映えしない景色に飽きてきた頃、丁度石の道の終わりが見えて来た辺りで、「シャシャシャーン…シャシャシャーン…」みたいな鈴の音が聞こえた。最初は気のせいかな?とも思ったけど明らかに鈴の音だったからAの方を見たらAも聞こえたみたいで怖さから少し半笑いになってその場に立ち止まった。
止まってる間も「シャシャシャーン…」っていう音はずっと川の方からしてて、近くにあった大きい岩の裏に隠れてそーっと川の方見た。

よく見ると反対岸に人みたいなのが見えたけど、木の間にいてよく見えなかった。
ずっと見ていると白装束の上に長い藁を肩から体一周纏っていて、鈴でできた首飾りを下げている人が出てきた。そして、顔はこっちを向いているのに何故か見えない(顔全体が影になっている感じ)。それが腰を曲げて前傾姿勢?になって腕をだらーんとしながら左右に揺れて歩いて来る。
それを見てすぐに私もAも岩の裏に隠れて心臓をバクバクさせてた。それが川に入ったのかジャブジャブと水の音が聞こえる。そして音はそのまま川上の(自分達が最初にいた)方に向かってゆっくり進んでいった。怖くて聞きたくないのに身体が固まって耳も塞げないから鈴の音とかはすごく聞こえてくるし、それに集中してしまう。
目も閉じて音だけを聞いていると「あーーんみぃーーーーしゃーーーーゆぁーーーーんぬーーーー」みたいな事を言ってるのが聞こえて本当に怖くて、何言ってんだこいつこんな所で何してんだっていう変に冷静な問いが頭の中でずっとグルグルしてた。
頭が混乱していて何が何だか分からなくなっている時、しゃがんでいるAの足滑ったみたいで石がガタってなってAの体が岩の影から出た。
途端に音が止まって、あ 終わったって思った。岩の影から出たまま固まってるAを引き戻してじっとしてると、汗が冷えてるのを感じて、ほぼ泣きかけてた。
とてつもなく長く感じたけど多分10秒くらいだったんだと思う。そいつはまた動き出した。

そしたら気が抜けてまだ鈴の音も聞こえるけど落ち着いて来た。Aの方見たら声も出さずに涙を流してたからそれにつられて泣いた。
それから何分か経って音も聞こえなくなったから、そーーっと川を見たら何もいなくて、それでまた気が抜けて数分そこに座ってた。
気がつくと日が傾いてきてたから帰らなきゃってなったんだけどその時に、
「あれが歩いていった方に帰らなきゃダメだ」って気付いた。でも暗くなると怖いし怒られそうだったから、まだ座り込んでいるAを引っ張って涙目になりながら急いで帰った。

結局帰りは何にも会わないまま帰れて、他の友達とおじさんが「どうしたどうした」って言って来て「なんかいた」ってそれしか言えなかった。
そしたらおじさんが「そいつの顔見たか?」って聞いてきたから「顔が暗くなってて見えなかった」と答えた。おじさんは「もう暗いし帰ろう」と言ってまだドキドキしながら帰った。

夜ごはんでめちゃくちゃ美味しい焼き鶏肉を食べて、その後に花火をした。でもAはさっきの事があってからずっと黙ったままで、ずっと1人で部屋にいた。

その日はそのまま寝て3日目。何をしたかあまり覚えてないけど公園で遊んだり農作業の手伝いをしたと思う。
Aは昨日の事が余程怖かったみたいで、何も喋らずにうずくまっていたから、一日中家で休むことになった。

まあそういうような事をして夜ごはんのあと、ふと前日のあれは何だったのかとおじさんに聞いた。おじさんは「他所の人に話すのはあんまり良くないよなー」と言いながらも私がそれを見てしまったという事で話してくれた。
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