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妖怪・風習・伝奇

泥亜襤褸巣さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

どれだけ歩いても着かない
短編 2022/01/21 18:06 2,091view

僕が小学生の頃、不思議な体験をしました。
その日は近所の友達の家に遊びに行きました。
夕方17時になり、そろそろ暗くなるので帰るよと友達の家を出ました。

秋の夕暮れはつるべ落としと言われるように、
さっきまで明るかったのに、辺りはかなり暗くなってきました。
しかし、友達の家からうちまでは子どもの足で歩いても10分位。
道もほとんど真っ直ぐで、少し小さな土手を越えるくらい、
通い慣れた近所の道なので、迷うこともありません。

暗いので、道草も食わず、真っ直ぐ家へと歩き始めました。
てくてく歩いて、土手を越えます。

またてくてく歩いて土手を越えます。

ん?おかしいな?土手2つもあったっけ?

まぁいいかと、小学生の僕は特に疑問も持たず、
更にてくてく歩くとまた土手が。

暗いから、道を間違えたのかなぁ。
辺りは街灯も少なく、暗いので街並みもよくわかりません。
ですが、何度確かめても、その土手はいつも歩いて登っている土手で間違いありません。

もう一度行ってみよう!!
と、土手を越えて、てくてく歩くとまた土手が。

流石に僕は怖くなり、友達の家に引き返しました。

かなり歩いたのに、友達家にはすぐに戻れました。

友達が、「あれ?忘れ物?良かったねすぐに気がついて。」
と言ったので、時計を見てみると、
17時5分。
僕は土手まで4回も歩いたので、30分位は歩いていたと思いました。

僕は更に怖くなり、友達に暗いから土手まで付いてきてくれる?と頼みました。
友達はいいよと、言って二人で土手に向かいました。
土手のところまで来ると、さっきと変わらない景色、いつもの土手です。
そこで、友達と別れて、自宅まで歩きました。
すると、すんなり自宅につきました。
あれだけ歩いたのに家に着かなかったのは夢でも見ていたのでしょうか?

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関連タグ: #事故物件#夢#狐#石
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