心霊スポットで足を掴むのは

これは私が友達と心霊スポットに行った時のお話です。
仕事帰りに同期のメンバーとご飯に行き、その中の1人が有名な心霊スポットの話をし始めたので今から行ってみようということになりました。
噂は多々ありましたが、1番語り継がれているのは、とあるトンネルの前で車のライトを消して、クラクションを3回鳴らすというもの。
その道は普段車の通りもなく、民家もないような山奥なので対向車も1台も通りません。
本来は不用意にクラクションを鳴らしてはいけないと分かっていますが、悪ノリした友達が鳴らしました。

ですが勿論何も起きません。

私たちはやっぱり何も起きないねと笑いつつ暫くその場所に居ましたが、諦めて帰ることにしました。

私は夏で暑かったのもあり、後部座席に寝転がり窓から両足を出していました。

すると足を人の手で掴まれたような感覚がありました。
車の中に居たのは私が膝枕をされていた隣の座席の友達と、運転手と助手席の4人です。
誰かが驚かせようとイタズラしているのだと思い、笑いながら私は起き上がりました。

イタズラ出来るとしたら助手席に座っている友達が窓を開けて後部座席の窓から両足を出している私の足を掴む事以外不可能です。

しかし、起き上がって見ると助手席の窓は閉まっており、助手席の友達は運転手の友達と仕事の話で盛り上がっていました。

私の足を掴んだか尋ねると、全く身に覚えのない事を言われた顔をしていて、嘘をついているようにはとても見えません。

私は急に怖くなり窓を急いで閉めました。

その後何事もなく特に足を怪我するような事もありませんでしたが、あの時の不思議な出来事は今でも忘れられません。
それから心霊スポットと呼ばれるような場所にも行く事はなくなりました。