白いモヤと謎のおじさん

私は小学生の頃に田舎に転校し、初めて引っ越した先がぼっとん便所があるような古い一軒家でした。

その白いモヤを見たのは引っ越して新しい環境にも慣れてきた夏の夜、いつものように居間で家族たちと宿題をしていた時、ふと顔を上げると正面の台所に繋がる入口のところに、人を模ったような白いモヤがありました。

驚いた私は「何あれ?!」と声を上げましたが、家族は聞く耳持たずちょうど、いとこが訪問にくるタイミングと重なり結局は誰も知らない自分だけの体験となりました。
それが初めての心霊体験でありそれ以外に何かが見えたり、心霊現象が起こるようなことはなく、自分に霊感があるとも思いませんでした。

その後、綺麗なマンションに引っ越したのですが、そこでまた奇妙な出来事が起きました。

中学に上がったばかりの夏の昼間だったと思います。一階のベランダに座りぼーっと鼻歌歌っていると、視線を感じ顔を向けると、ベランダ前の通路にある草のわきに立っているおじさんと目が合いました。

「いつからいたのだろう？」「どうしてこちらを見ていたのだろう？」と恐怖を覚え、急いで２階の兄に助けを求めに行ったのを覚えています。

しかし、兄が外を見た時には誰もいませんでした。近所で挨拶をしたお年寄りの中にそんなおじさんは見たこともなく、よくいる子ども好きのおじさんだったのかも知れませんが当時の私はとても恐怖を感じたのを覚えています。

何も関係のなさそうな２つの経験談ですが、もしかして数100ｍの近所で引っ越したのであの時の白いモヤの人じゃないかと直感的に考えたりもします。
幽霊も元は人間であり、今は無の存在としてこの世を彷徨っているといいます。あの時、気づいてくれたことが嬉しくて会いに来たとしてもおかしくはないのではないでしょうか、、、？