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不思議体験

綿貫 一さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

アレなに?
長編 2024/04/13 00:34 3,948view
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人だかりの中に、見知った顔があった。
いつも公園で一緒に遊んでいるママ友たちだ。
彼女たちは、子供と一緒にあるものを見つめていた。
皆、顔には笑みを浮かべて。

皆の視線の先。そこには、ひとりのピエロがいた。
派手な色の服を着て、顔を白く塗りたくり、頬には雫型の紅いペイントをしている。
真っ赤な付け鼻、オレンジ色のパンチパーマ、そして頭には丸いボーラーハット。

彼は、おどけた笑顔で観衆の方に向かって歩いてこようとしたが、不意に、何かにぶつかったかのように後ろに身を引いた。
彼は、驚いた顔をしながら、おそるおそるといった風に手を伸ばす。
なにもない空中で、手の平がピタリと止まる。まるで、見えない壁に触れているかのように。

彼は、そのまま真横にペタペタと手を這わす。
壁がどこまでも続いているように見える。

「あら、マナちゃんのママ。こんにちは」

ママ友のひとりがこちらに気付いて声をかけてくる。

「こんにちは。面白いですね、これ。
パントマイムって、私、生で見るの初めてかもしれません」

「私も。
見て、子供たちったら真剣。大道芸人の人だと思うけど、子供が大人しくなって助かるわぁ」

見ると我が娘マナも、ピエロの一挙手一投足を見逃すまいと、目を皿のようにしている。

実際、彼のパントマイムは見事だった。

透明の壁に始まり、階段やはしごを登ってみたり、見えない台風の中、体を煽られながら前進してみたり、水の中に潜ってみたり。
はたまた、犬や猫、蛇やリスといった動物たちと戯れる仕草をすると、彼の動きを通して、だんだん「見えない」動物が「視えてくる」かのように感じられた。

きっと、手や体の仕草の他にも、視線や表情も大切なのだろう。
それらの組合せで、ありもしないものの大きさや重さ、手触りや臭いまでもが、観ている人間にリアルなイメージを想起させるのだ。

ピエロの芸は、いつしか終盤に差し掛かっているようだ。
こういった見せ物の最後には、見物人からおひねりを回収する時間が設けられているはずだった。
私も娘も楽しませてもらったし、別にケチるわけではないのだが、ママ友たちの手前、どの程度の金額を出すのが妥当なのだろうかと、私がひそかに悩み出した――その時だった。

「わーん!」

突然、最前列の幼児が、けたたましく泣き出した。
あらあら、と思っていると、

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コメント(6)
  • 怖えぇぇ!!!

    2024/04/13/13:32
  • ((( ;゚Д゚)))

    2024/04/13/21:12
  • ((( ;゚Д゚)))怖

    2024/04/13/21:12
  • ((( ;゚Д゚)))怖い

    2024/04/13/21:13
  • こわきもちわるっ((((´□`;)ヒェ…

    2024/04/17/21:23
  • 空には何がいたの???

    2024/05/10/13:14

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