これは俺が学生時代、某カラオケボックスチェーンでバイトをしていた時の話だ。
知名度的には、名前を言えば知っている人は知っているってくらい。超有名チェーンというわけではないが、全国に数百店舗が展開されているので、そこそこ有名なチェーンではあると思う。
ここまで言うと特定されてしまうかもしれないが、Googleでそのカラオケボックスチェーンの名前を検索しようとすると、サジェストに「幽霊」と出てしまうようなチェーンだ。しかも、興味深いことに特定の店舗というわけではなく、「△△店 幽霊」「✕✕店 幽霊」みたいに大量に出てくる。
かく言う俺が働いていた店舗にも幽霊の噂がいくつか存在していた。
「2階がヤバい」「23番の部屋に幽霊が出る」「23番の部屋で幽霊が一緒に歌ってくる」「スピーカーから他人の歌声が聞こえる」「曲が勝手に予約される」などだ。
後半の「他人の歌声が～」ってのと「曲が勝手に～」ってのは、多分だけどカラオケのシステムはワイヤレスで行われているから、別の部屋のが混線しているだけだと思うけどな。
前置きをもう少しだけさせてくれ。長くてすまん。許してクレメンス。
俺は当時（今もだが）、オカルトや怪談の類にハマっていて、2ちゃんねるに掲載された『木が生える人』って話とその後日談を、YouTubeか何かの動画で見たんだ。この話を知らない人は先にググってきてくれ。
でな？その当時、JOYSOUNDが「みるハコ」っていう歌うんじゃなくてカラオケルームでライブ映像とか映画とかアニメとかが見れるコンテンツを出したんだよ。店舗や従業員に対して、特に通達とかも無かったからその時は知らなかったんだけどさ。
ある時、清掃に入った部屋で到底カラオケの画面とは思えない映像が流れていたんだ。それがさ、「森の中を神妙な顔をした白人系外国人たちが大勢で歩いている」映像だったんだよ。しかも、全員無言で。若干俯き気味の奴もいたかな。
部屋は照明が落としてあって真っ暗でさ、画面には謎の不気味な映像が映ってるもんだから、ちょっとゾクッとしたよね。
まあでも、そこまで怯えるでもなく、店長に「見て見てーｗ」くらいのノリで報告して部屋を見に行かせたの。そしたら、店長も「みるハコ」の存在を知らなかったらしく、「何やろねアレ。とりあえず画面は戻せたよ。」とか何とか言っていた。
で、別の業務をしている時に『木が生える人』の後日談で、「バラエティ番組らしき映像に重なる形で、森か林のような場所を大勢の人が奥に向かって歩いていく映像が映っていた。」って話を思い出して、もう一度ゾクッとしたのと同時にオカルト好きの俺は妙な高揚感みたいなものを感じていた。
しばらくして店長が「みるハコ」の存在に気付いたらしく、そのことを教えてくれた。映画のタイトルは忘れたが、そういうシーンがある映画が実際に当時の「みるハコ」で配信されていたよ。
んで、俺と店長その時はそれで納得したんだけど・・・。
絶対に有り得ないんだよね。
だって、その部屋・・・機種が「LIVE DAM STADIUM」だからね。
混線の話を前述しているが、流石にメーカーの違う機種という壁を超えて混線するなんて考えられないし、そもそもカラオケ本体とテレビはHDMIケーブルによる有線接続なんだから・・・。
じゃあ、これって何？
カラオケ行かないからわかんねーや。