小さいおじさんの秘密

もしＫの言う通り小さいおじさんの何かを見たせいでＫが行方不明となったのだとしたら、Ｋは何を目撃した？

小さいおじさんが消える瞬間を見た？

それとも現れる瞬間を？

俺は日に日に込み上げる好奇心に頭を抱えながら、今は耐え忍んでいる。
見たい。
小さいおじさんが現れる瞬間を。
小さいおじさんが消える瞬間を。
どこから来て、どこへ帰るのか。

きっとＫもこの衝動に駆られてしまい、実際に小さいおじさんの秘密を見てしまったのだろう。

俺も見たら行方不明になるのだろうか。
いや、小さいおじさんに変わってしまうのだろうか。

俺の部屋に現れた小さいおじさんはどう見たって……。

覚悟を決めた俺は今度小さいおじさんを見つけたら、最後まで追いかけてみようと思う。
そう決意した俺は監視カメラを室内に設置して、来る日を楽しみに寝床へもぐった。

楽しみだ。

いつかＫと再会したら自慢しよう。

俺は寝入る直前、枕元の端にＫとよく似た小さいおじさんがちょこんと座って微笑みかけているのを見たような気がしたが、睡魔のせいで瞼が重くて体が動かなかった。

小さいおじさんは何やらもぞもぞと身体をくねらせたかと思うと、まるで脱皮をするように皮膚を脱ぎ始め……。

俺は深い眠りに落ちた。