ピアノの先生との不思議な縁

　私は表現活動をしており、歌でメッセージを届けようとすることがたまにあります。ある時、大切な人を亡くした方のために曲を作り、自分でピアノを弾いて歌いたくて、ピアノの先生を探しておりました。本番まで期間はわずか３か月。もともと趣味でピアノは弾いていたものの、習ったことが一度もなかったので、少し焦って事情を理解してくれる先生を探しておりました。

　どこに行ったらよいのかわからず、まず近所の最寄り駅の音楽スタジオに行ってみました。しかし、なんだかそのスタジオに入りにくく、あきらめてしまいました。生活の都合上、職場の近くにあったほうが動きやすいかと、職場の最寄り駅で探すことにしました。二軒目で、幸いすぐに見つかり、お値段も手ごろで、すごく優しく理解があり、良いところをほめて伸ばしてくれるとてもいい先生に出会うことができました。その方のおかげで、本番は無事成功。そのテーマとなった方もお客さまも大変喜んでいただき、よかったなあと思っておりました。

　その先生は熱心で、レッスンに行けばきちんと自信を取り戻して返してくれる、その時期の私にとても必要な先生でした。その先生とずいぶん後になって話したのですが、実はその先生、お宅が割と私の家の近くで、沿線が同じでした。そしてなんと、そのスタジオ以外にもう一軒教えている音楽スタジオというのが、私が最初に行った最寄り駅にあった音楽スタジオだというのです。つまり私の行ってみた二軒のスタジオにはどちらもその先生がおり、結局のところ出会っていたのかもしれないですね。などと笑ってはなしました。大変ご縁を感じる不思議な出来事でした。