古い家にたたずむ影

これは、知り合いの解体業者から聞いたお話です。

その解体業者は、今はさびれてしまった別荘地の住宅を解体することになり、
１件、１件と順調に解体を進めていったのです。

ある日、作業終了後に作業員の1人が
「奥の別荘って誰かいるんですか？」と聞いてきたのです。
何故？と思い、作業員に
「いや、誰も住んでない空き家のはず。」

と伝えたところ、作業員から
「窓のあたりに人影があったから、誰かいるのかな？って思ったんですよ。」と、
ですが、空き家なのは確実なので、見間違えでは？と言うこと。

翌日の作業終了間際、また別な作業員から
「奥の別荘、誰かいますよ。窓に人影があるんで、調べてから作業した方が…」と言う報告があがってきました。
2人も目撃しているのであれば、誰か住み着いている可能性もあるのでは？となり、
依頼主に報告をしたところ、後日警察官立ち合いで中に入ることになりました。

警察官、依頼主が来たので、目撃した作業員2人とともに奥の別荘に行き、
中に入り、一通り家の中を確認したのですが、
家の中には誰もいなく、窓のあたりには何もない状態でした。

家の中から出て、警察官の方々と話をしていた時に、作業員の1人が
「窓に、人がいる。」と叫び、みんなで振り向くと、
そこに、女性が立っていたのです。

先ほどまで、家の中には誰もいなかったことなどから、
その別荘はお祓いをしてもらってから、解体作業をしたそうです。