臨死体験？

これがね、一度だけじゃないんです。
何通りも色んな形で失われていくんです。
失われ方は、同じだったかな。場所は違う気もします。
私は、兎に角、今 ある情報を調べようとしました。
自分に起こっている現象が何なのか。
どうやったら、皆を救えるのか。

でもね、ネットで調べてもそんな事、ひとつも出やしないんです。それどころか、
私に起きた事象は、何十年も前のことだって
検索結果が出るんです。

その頃にはね、笑わないでくださいね。

この地上から人間なんていなくなってたんですよ。
皆、別の惑星に移動してね、私は一人きりで、、、
何年も灰に埋もれた世界を歩きました。
何年も誰もいなくなった世界で生活しました。
私に残されたものは、
私の命だけだったのです。
皆、会えないし、
多くの人は死んだ。

私は灰の降り積もる世界で自家用車にガソリンを入れました。いつも移動する距離を考えると満タンに入れた方が、後が楽だったのです。

お弁当屋さんに入りました。

誰もいなくなったお店は、私が勝手に入っても誰も文句を言いません。
調理設備と器具を活用し、私は自分の分のお弁当を作りました。何でなんでしょうね。
家では、調理する気になれなかったんです。材料も全部駄目になってしまっていたし、
誰も居ない台所なんて、見たくもありませんでした。
わたしは、自分で長い旅に出ているのだと思うことにしました。長い長い旅。

皆、いない。
家族はいない。
人はいない。

それが普通。
私は一人。
ここで一人。