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呪い・祟り

え~とさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

森の中の扉
短編 2022/11/16 11:55 1,231view

まだ自分が小学生だった頃、父の仕事柄、転勤が多く私も転校にウンザリしていた。
小学校最後の転校先はとても田舎で電車は無くコンビニは歩いて気軽には行けないくらいのザ田舎だったが、その町はとても特殊で歪でたくさんの不思議な話、出来事があったのだが不思議と覚えていなくて驚いている。
きっかけはそのザ田舎の数少ない同級生だった友人が亡くなったという連絡があったこと。当時隣に住んでいた「彼女」から連絡があって、そこから記憶が蘇ってきた。すぐに鞄に着替えだけを入れ、何十年ぶりにTHE田舎に戻ることになった
「彼女」も僕も大人になり、たわいない話をし友人の葬儀に参加し、何事も無く終わったが、ビジネスホテルも近場の旅館も無いことに気がついたのは夜もふけた時だった。
「泊まる所はうちだよ」と諭すように「彼女」は言ったので彼女の家に泊まることにした。

「なんで戻ったの、断る事が大事だったのに・・」と彼女は二人きりになって呟くように言っていたのが、お酒で回らない頭に響いていたのを覚えています。

「森の中に扉がある、使っちゃいけない」そんな事を聞いたら田舎の暇な小学生は行動が早い、亡くなった友人と隣の「彼女」と自分で探しにいく、案外簡単に見つかった・・
「神社の裏の森の中には入っちゃならない」それを思い出した「よそ者」の自分が小学生なりの推理で見つけ出した偶然だったと思う。

「彼女」の前でかっこつけた友人は扉を開けて中に入り、扉の裏から出てきた。

扉しか無いので当たり前で、扉開けて一歩。扉を閉めるそれだけだった。

友人は倒れて動かなくなり、「彼女」と自分は奇声を喉がつぶれるまで発していたらしく、神社の神主さんがすぐに来なかったら二人も危なかったとあとから聞いた。

自分はそれから学校にも行かず、父の転勤まで家から出る事は無かった。

なんで忘れていたのか戻って分かった。あの扉でのできごとが恐ろしすぎて自分でこのthe田舎の記憶を思い出さないようにしていた、そんなところだろうと思う。

友人の葬儀の後、「彼女」ともう二度と会わない約束をし別れたが、あの扉が夢にも現実にも表れるようになり困っています。

友人も最近見かけるようになり、次は自分が扉を開ける番かと思い、仕事も部屋も引き払い「彼女」に連絡しました。

「もう終わったよ 戻らなくていいんだよ」と電話で声を聴いた時に「彼女」が特別だった事も思い出しました。 
「君を呼んで、ついていったところで『扉』を壊したよ」と聞いて安心したが仕事も部屋も無いことも思い出した。

「泊まるところはうちだよ」彼女はなんでも知っている特別な人で不思議な歪な町で暮らすことになってしまいました。

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