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不思議体験

ねこじろうさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

ホーチミンのトラウマな夜
長編 2022/10/03 10:51 7,270view
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レストランを出る頃は午後7時30分くらいになっていた
その後はタクシーに乗り、ホーチミン市郊外にある市民公園に向かう。
タクシーを降りた後、緑豊かな広大な敷地内の遊歩道を5分ほど歩くと急に視界が広がり、広いグランドの真ん中辺りに巨大なテントが一つ。隣に中規模のテントが一つ並び建っている。
これからあそこで地元で人気のサーカス団が興行するのだ。
恒例の8月興行は毎年日曜日に行われていて、朝と夜に一回ずつだ。
テント周辺には様々なキッチンカーが営業していて、家族連れやカップル等たくさんの人たちで賑わっていた。
俺は夜の部8時からのチケットを財布から出すと、ゆっくりとテントに向かった。
入口には派手な格好をしたピエロが2名立っていて、チケットの確認をしている。
5年前も同じだった。

俺はチケットの半券を受け取ると、会場の中に進んだ。

すり鉢状の会場は八分ほどの入りだ。
指定された席を探し、そこに座る。
やがて辺りが暗くなり、スポットライトが中心を照らし出した。同時に賑やかなマーチが会場を盛り上げる。
いよいよショウが始まるのだ。
歓声と拍手が沸き起こり、会場内のボルテージが一気に上高まった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ショウはきっちり1時間あった。
ピエロによる寸劇に始まり、動物たちの可愛い曲芸。
そしてお馴染みの綱渡りや空中ブランコ。

いつもながら人間離れした技の数々に何度も目を奪われる。
最後はメンバーが全員揃って挨拶をした後、ショウは無事終了した。
俺はぞろぞろと帰路につく観客たちに紛れて出口に向かった。5年前この短い数分の間に妻は消えた。

会場から外に出ると、いつの間にかパラパラと雨が降っていた。
ふと背後に何となく気配を感じた俺は思わず振り向く。

ぞろぞろと会場から出てくる観客たち。

そして、
その後方に見え隠れするのは、
テント入口辺りに立つピエロ。
ピンクのアフロヘアーにピンクのツナギのズボン姿をしている。

2/5
コメント(4)
  • YouTubeで似たような話を見たことがありますが、こういう話って海外だと多くありそうですよね。

    2022/10/03/18:09
  • それが本当なら警察に。

    2022/10/04/03:28
  • 本当の話なら警察に行って取り返さないのか?

    2022/10/04/11:24
  • Holy shit!

    2022/10/06/10:51

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