主は後ろに

先程の無言は何なんだ、怖かったぞ…だなんて文句を言うと、友人は驚いたように言いました。
友人の話では無言だったのは、私の方で、私の方から電話を切られたようなのです。
噛み合わない会話に、気持ち悪さを感じました。
私は一つ、友人に質問しました。

今、どこで電話をかけているんだ。

友人は、車が行き交う大通りで電話をかけて来ていました。
自分の中で事を理解して途端に背後が怖くて怖くて仕方がなくなりました。友人には何も言わず、電話を済ませて、私は絶対に振り返らずに部屋を出ました。
なぜなら、電話の中の足音が、私の背後から聞こえる足音にそっくりだったからです。

どういう事だったのかは、未だにわかりませんが、あの日以来足音は聞こえなくなりました。

今でも、心霊動画は好きなので見ていますが、連日見るのではなく、間隔を開けて見るようにしています。