仏の怒り

私は必死に皆を説得し帰ろうとしていたんですが、怖いもの知らずの大馬鹿者Aが、なんと数珠をこえて中に入っていきました。

すると突然地面が揺れて何千という数を超える人達の叫び声が聞こえてきました。さすがにやばい、と、Aのことも忘れて皆いっせいに走り出します。

私達は急いでお寺に直行し、事情を説明して来てもらいました。そのときの人数もとんでもなかったです。

私以外の子はこういったことに耐性がなく、精神的にも肉体的にも限界だったのでお寺で休ませてもらうことに。私はAが心配だったので、一緒に行かせてほしいとお願いしましたが、危ないからダメだと断られてしまいました。

3時間ほど待ったと思います。

みなさんが帰ってきました。

残念ながらAのゆくえはわからないそうです。

私はあそこがなんなのか訪ねました。

以下お坊さんの説明ーーーーーーーー

人は死んだあと極楽浄土し、輪廻転生の輪にのって現世に生まれ変わるらしいのですが、生きているうちに仏を激昂させるほどの罪を犯したものは、その輪から弾かれてしまう。

その弾かれた魂たちは、肉体を求めて現世に降りてくる。その魂達を一つの場所に集めるためにつくられたのが、あの場所であった。

あの数珠を超えてしまえばそこは腹をすかせた亡者達の住処。Aがどうなってしまったのかは想像がつくだろう。

喰われたか、隠されたか、それとも仏の怒りか、どちらにせよもう会えることは無いでしょう。

南無阿弥陀仏

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