見間違いの多い友人。

「顔におっきいガーゼ貼っててねえ。ちょっと見えたんだけどたぶん火傷かな。まだ若い子なのにあんまりにも痛々しかったからさぁ……」

先輩も「あの制服○女(近くの女子校)だから、高校生でしょ？ なんで火傷したかわからないけど、跡残ったら可哀想」と言う。

……少し前の幼なじみの見間違いを思い出して、変に心臓がバクバクした。
当たり障りなく相槌を返して、ホールチェックに出た。自分でも確認したかった。

あまりお客さんがいない、壁際の席にその子はいた。
その子は確かにあの日、幼なじみの彼女が「頬から襟の辺りまで酷い火傷が」といっていた高校生だった……彼女が言っていた辺りに、ベッタリと大きなガーゼがいくつも貼られていた。

それ以降も、なんならつい最近でも彼女の見間違いは続いている。
けれど私が知る限り、そして彼女に話しを聞く限り。
見間違いが見間違いじゃなくなったのは、あの火傷の子だけだ。