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ぴさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

盆踊りにいた知らない子
長編 2022/04/23 11:10 3,151view

私の祖父母の家は、毎年「盆踊り」というイベントがあり、ご近所さんで集まっていました。

その日になると、小さな集落の人が料理を持ち寄り、浴衣を着て音楽をかけて盆踊りを始めるのです。

小さな子供も一緒に集まるのが恒例で、私たちはまだ子供でしたがその日は夜遅くまではしゃぐことができました。

そんな盆踊りに毎年参加させてもらっていたのですが、その日はいつもと違ったのです。

私はよく祖父母の家に遊びに行ったりしていたので、近所の子たちと仲が良かったです。

だからその日はみんなで夜まで遊べるのが楽しみで仕方なかったのです。

近所の人の家で集まり、一緒に浴衣を着せてもらって、みんなでわいわいと盆踊りの会場へ向かいました。

毎年盆踊りをしているのは山道をしばらく上った先のお墓の近くにある、小さな小屋なのです。

そこに集まって、わいわい盆踊りをするのですが、私は普段お墓を怖がっているくせに、その日は楽しくて仕方なくて、飛び跳ねるような気持ちでした。

その小屋に行く途中に私は、暗闇の中で蛍のような光るものを見ました。

「うわ、蛍がいる」と私が言うと、周りの子たちはきゃっきゃしていました。

ただ、大人たちは不思議そうな顔で「蛍?」と言いました。

どうやら蛍はその頃には数を減らしていたみたいで、しばらく見ていなかったそうです。

だから私が蛍がいるというのに訝し気にしていたわけです。

私は、蛍を見た場所を指さしました。

そこは丁度お墓が途切れている辺りで、一緒に盆踊りに向かっていたおじさんが「蛍じゃなくて、火の玉やったりして~」と私たちを脅かしました。

私たちはきゃあきゃあ言いながら、騒ぎました。

それでもおじさんの冗談として笑って、そして盆踊りする小屋までやってきたのでした。

そこにはいつもなら食べられないようなおいしそうなお刺身やお寿司、お素麵やエビフライなどさまざまなものが並んでいました。

私たちは目を輝かしてその料理を口にしましたね。真っ暗な中、山道を登って疲れたのもあります。いくらでも食べられました。

そして、いよいよ音楽が鳴りはじめて、大人たちが盆踊りを踊り始めました。

私は祖父母に習って同じように踊りました。

周りからはすごく褒められていい気分で踊っていたと思います。近所の子供たちも一緒になって踊りました。

踊り方はもうまったく覚えていないけど、子供も踊れるものなので、それほど難しくはなかったと思います。

そこで私はふと気づいたのです。

盆踊りを踊っている子供たちに混ざって、見たこともない子がいました。

近くにいた近所の子に、「あの子誰?」て聞いたと思います。

でもその子も「え~?」と首を傾げていました。

ほかの子たちにも次々と聞いてみたけど、みんなその子を知らなかったです。

だから私は近くで盆踊りしていた祖母に聞いてみたのです。

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